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つば九郎の「とりごや(家)」デザイン 蒲郡の桜庭さん最優秀賞

桜庭さんが描いた「日本庭園風とりごや」(本人提供)
桜庭さんが描いた「日本庭園風とりごや」(本人提供)
桜庭さんの自画像
桜庭さんの自画像
仕事部屋。デジタル化している(提供)
仕事部屋。デジタル化している(提供)

プロ野球東京ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」の「とりごや(家)」のデザインが決まった。最優秀賞に選ばれた3人のうちの1人は蒲郡市在住の漫画家、桜庭ゆいさん。とりごやは明治神宮外苑内に建設、9月に完成予定で「ぜひ現地で見たい」と話している。
 子どもの頃から絵が好きで将来は漫画家になることを決意していた。美大に進学、油絵を学びながら19歳の時に「少年ジャンプ」に初めて作品を持ち込んだ。少年漫画だったが編集者からは「女の人はちょっと…」と言われたという。
 諦めきれず、大学を中退して上京。出版社を回って持ち込みを続け、やがてアシスタントの依頼も受けるようになった。そして、24歳の時に「僕が早起きする理由」(別冊マーガレット)でプロデビューを果たす。これまでに6タイトルが単行本化している。最新作は「ザツキ~私をスターにしなさい」の3巻。
 新型コロナウイルス禍で地元に戻った。子育てをしながら漫画を描き、イラストの仕事などもこなしている。そんな折、目に止まったのが「つば九郎のお家」プロジェクトだった。つば九郎は今月24日に出場2000試合を達成したが、それを前に「とりごやたてて」とアピールしたことがきっかけだった。総合不動産業「オープンハウスグループ」とヤクルト、明治神宮外苑が協力し、本物の家を建てるためのデザインを5月から募集した。
 東京で暮らす間、プロ野球ファンの友人に誘われて、何度か神宮球場に行った。「チームより、つば九郎というマスコットキャラクターが好きになった」と桜庭さん。応募作品が公開されており、子どもの絵もあった。「これなら私にもチャンスが」。3日かけて描き上げた。総数209点が寄せられ、つば九郎による審査の結果、最優秀賞に選ばれた。
 等身大のつば九郎を縁側に、小窓やつばめの巣箱などを配している。「ヤクルト専用自販機」を設置するなどの遊び心も加えた。
 少し下から見上げているような構図はリアリティーがある。「実際に建てられそうだと思われるように描いた」と言う。「アシスタント時代に、背景をたくさん描いた。そのスキルがこんな所で生きた」と桜庭さんは笑った。今の若手漫画家は、下積み時代からずっとタブレットで描いている。背景などのパーツはインターネットで入手可能で、作画しない漫画家も多いのだという。
 今後について「私はまだまだ無名な漫画家。作品を手にとってもらえるようになりたい」と話している。
【山田一晶】

プロ野球東京ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」の「とりごや(家)」のデザインが決まった。最優秀賞に選ばれた3人のうちの1人は蒲郡市在住の漫画家、桜庭ゆいさん。とりごやは明治神宮外苑内に建設、9月に完成予定で「ぜひ現地で見たい」と話している。
 子どもの頃から絵が好きで将来は漫画家になることを決意していた。美大に進学、油絵を学びながら19歳の時に「少年ジャンプ」に初めて作品を持ち込んだ。少年漫画だったが編集者からは「女の人はちょっと…」と言われたという。
 諦めきれず、大学を中退して上京。出版社を回って持ち込みを続け、やがてアシスタントの依頼も受けるようになった。そして、24歳の時に「僕が早起きする理由」(別冊マーガレット)でプロデビューを果たす。これまでに6タイトルが単行本化している。最新作は「ザツキ~私をスターにしなさい」の3巻。
 新型コロナウイルス禍で地元に戻った。子育てをしながら漫画を描き、イラストの仕事などもこなしている。そんな折、目に止まったのが「つば九郎のお家」プロジェクトだった。つば九郎は今月24日に出場2000試合を達成したが、それを前に「とりごやたてて」とアピールしたことがきっかけだった。総合不動産業「オープンハウスグループ」とヤクルト、明治神宮外苑が協力し、本物の家を建てるためのデザインを5月から募集した。
 東京で暮らす間、プロ野球ファンの友人に誘われて、何度か神宮球場に行った。「チームより、つば九郎というマスコットキャラクターが好きになった」と桜庭さん。応募作品が公開されており、子どもの絵もあった。「これなら私にもチャンスが」。3日かけて描き上げた。総数209点が寄せられ、つば九郎による審査の結果、最優秀賞に選ばれた。
 等身大のつば九郎を縁側に、小窓やつばめの巣箱などを配している。「ヤクルト専用自販機」を設置するなどの遊び心も加えた。
 少し下から見上げているような構図はリアリティーがある。「実際に建てられそうだと思われるように描いた」と言う。「アシスタント時代に、背景をたくさん描いた。そのスキルがこんな所で生きた」と桜庭さんは笑った。今の若手漫画家は、下積み時代からずっとタブレットで描いている。背景などのパーツはインターネットで入手可能で、作画しない漫画家も多いのだという。
 今後について「私はまだまだ無名な漫画家。作品を手にとってもらえるようになりたい」と話している。
【山田一晶】

桜庭さんが描いた「日本庭園風とりごや」(本人提供)
桜庭さんが描いた「日本庭園風とりごや」(本人提供)
桜庭さんの自画像
桜庭さんの自画像
仕事部屋。デジタル化している(提供)
仕事部屋。デジタル化している(提供)

カテゴリー:社会・経済

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