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豊橋の全国凧揚げ大会に幕

大会にも出した凧を手にする市川会長=豊橋市植田町で
大会にも出した凧を手にする市川会長=豊橋市植田町で
2019年開催の第20回全国凧揚げ大会in豊橋
2019年開催の第20回全国凧揚げ大会in豊橋

会員高齢化などで凧保存会決断

 豊橋凧(たこ)保存会は毎年9月末に開催していた「全国凧揚げ大会in豊橋」を今後開催せず、終了すると決めた。保存会会員の高齢化が主な理由。
 保存会の市川和生会長によると「全国凧揚げ大会in豊橋」は保存会設立の当初から続いてきた「豊橋凧揚げ祭り」を前身に2000年にスタート。「全国」を冠した理由は、田原市の凧保存会で精力的に活動する凧師の鈴木裕さんから「豊橋は全国から人を呼んでもっと、どでかい大会を開け」と活を入れられたことなどもあるという。
 豊橋総合スポーツ公園を会場に、毎年200~300個の小さな凧が配られ、さまざまな人が凧揚げを楽しんだ。多い時には1000人以上が参加した。ある時は「日本の凧の会」(東京都)と協力して、本当に全国から参加者が集まった。
 左右にゆっくり揺れながら飛ぶ様子から名付けられた「ケロリ凧」、八角形の「八ツ花凧」といった地域伝統の凧や4㍍を超える大きな凧が揚がり、コンテストも開催された。市長賞やデザイン賞、アイデア賞、飛翔賞などが贈られた。だが19年の第20回を最後に、新型コロナウイルス禍で中止が続いていた。
 豊橋凧保存会は1960年発足。凧展や新春凧揚げ大会、豊橋まつり協賛の凧揚げ、保育園や小中学校での凧作り、凧揚げ指導などで凧文化の継承に努めてきた。
 現在、中心となる会員は約10人。大会を開催するとしても、健康上の理由などで動けるのは70~80代の5人しかいない。会員の最高齢は93歳。会場の設営や補助金の手続きなど運営する人手も体力も厳しいものがある。この2年で中心メンバー4人が亡くなったのが追い打ちをかけた。
 市川会長は「凧のような伝統的な遊びや趣味の集まりはどこも同じ状況に直面している」と話す。今は70歳過ぎまで働く人が多くなった。それから入ってくる会員が活動の中心になっている。
 会は他の団体と持ちつ持たれつの関係にある。田原や浜松で凧大会があれば、豊橋の会員が参加する。豊橋で大会があれば、田原や浜松の凧の会も参加する。「高齢のメンバーばかりになると、他の大会へ出場するのも大変になってくる」と市川会長。従来の関係が維持できなくなっている点も大会終了のきっかけの一つだ。
 コロナ禍で中止したまま終了という結果になった。市川会長は「大会は終わるが、新春凧揚げ大会や凧展、凧揚げ教室などは継続する。できるだけ長くやっていきたい」と話す。今年の豊橋まつりでも凧の販売と凧揚げ教室を開く予定という。
【岸侑輝】

会員高齢化などで凧保存会決断

 豊橋凧(たこ)保存会は毎年9月末に開催していた「全国凧揚げ大会in豊橋」を今後開催せず、終了すると決めた。保存会会員の高齢化が主な理由。
 保存会の市川和生会長によると「全国凧揚げ大会in豊橋」は保存会設立の当初から続いてきた「豊橋凧揚げ祭り」を前身に2000年にスタート。「全国」を冠した理由は、田原市の凧保存会で精力的に活動する凧師の鈴木裕さんから「豊橋は全国から人を呼んでもっと、どでかい大会を開け」と活を入れられたことなどもあるという。
 豊橋総合スポーツ公園を会場に、毎年200~300個の小さな凧が配られ、さまざまな人が凧揚げを楽しんだ。多い時には1000人以上が参加した。ある時は「日本の凧の会」(東京都)と協力して、本当に全国から参加者が集まった。
 左右にゆっくり揺れながら飛ぶ様子から名付けられた「ケロリ凧」、八角形の「八ツ花凧」といった地域伝統の凧や4㍍を超える大きな凧が揚がり、コンテストも開催された。市長賞やデザイン賞、アイデア賞、飛翔賞などが贈られた。だが19年の第20回を最後に、新型コロナウイルス禍で中止が続いていた。
 豊橋凧保存会は1960年発足。凧展や新春凧揚げ大会、豊橋まつり協賛の凧揚げ、保育園や小中学校での凧作り、凧揚げ指導などで凧文化の継承に努めてきた。
 現在、中心となる会員は約10人。大会を開催するとしても、健康上の理由などで動けるのは70~80代の5人しかいない。会員の最高齢は93歳。会場の設営や補助金の手続きなど運営する人手も体力も厳しいものがある。この2年で中心メンバー4人が亡くなったのが追い打ちをかけた。
 市川会長は「凧のような伝統的な遊びや趣味の集まりはどこも同じ状況に直面している」と話す。今は70歳過ぎまで働く人が多くなった。それから入ってくる会員が活動の中心になっている。
 会は他の団体と持ちつ持たれつの関係にある。田原や浜松で凧大会があれば、豊橋の会員が参加する。豊橋で大会があれば、田原や浜松の凧の会も参加する。「高齢のメンバーばかりになると、他の大会へ出場するのも大変になってくる」と市川会長。従来の関係が維持できなくなっている点も大会終了のきっかけの一つだ。
 コロナ禍で中止したまま終了という結果になった。市川会長は「大会は終わるが、新春凧揚げ大会や凧展、凧揚げ教室などは継続する。できるだけ長くやっていきたい」と話す。今年の豊橋まつりでも凧の販売と凧揚げ教室を開く予定という。
【岸侑輝】

大会にも出した凧を手にする市川会長=豊橋市植田町で
大会にも出した凧を手にする市川会長=豊橋市植田町で
2019年開催の第20回全国凧揚げ大会in豊橋
2019年開催の第20回全国凧揚げ大会in豊橋

カテゴリー:社会・経済

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