文字の大きさ

東三河初、最新鋭の介護ロボ導入

到着したばかりのSASUKEを操るスタッフ
到着したばかりのSASUKEを操るスタッフ
体験する記者。この状態を「お姫様抱っこ」と呼ぶそうだ
体験する記者。この状態を「お姫様抱っこ」と呼ぶそうだ

豊橋のナーシングホーム「三つの鳳」

 8月にオープンした豊橋市西幸町のナーシングホーム「三つの鳳(ミトリから変更)」が最新鋭の介護ロボットを導入した。県内で2例目、東三河では初めて。お年寄りらに負担をかけることなく、ベッドから車椅子への移動などをアシストする。スタッフによる実習を経て、施設利用者のために稼働する。

 三つの鳳は住宅型有料老人ホーム。利用者の生活の自由度が高いのが特徴で、20人のスタッフが働いている。
 導入した介護ロボは、大阪市中央区のロボットや医療用機器等の開発と製造「マッスル」製の「ロボットヘルパーSASUKE」。
 シーソーのようなバーにアームが取り付けられており、利用者の体の下に敷いたシートに差し込んで持ち上げる。アームの一つは頭の上、もう一つは膝の下に入る。体の角度を調整できるため、利用者は前方を見ながら、安心して身を委ねられる。
 バッテリー駆動でコードレスなこと、総重量は70㌔で女性でも簡単に取り回しが可能なことも特徴だ。
 これまでにも移動をアシストするロボットはあるが、利用者をアームで上からつり下げるタイプだった。揺れるし、落ちないかと不安になる。しかしSASUKEは下から支えるために安定感がある。
 施設長の大林三恵子さんは、導入の決め手は「利用者のため」と言い切った。人の手で支えると、体が安定しない。また、中には体がむくんでおり、ちょっとした接触だけで褥瘡(じょくそう)ができてしまう人もいる。SASUKEならそのような事態は避けられる。オープン前、介護機器の見本市を見学に行き、導入を決断したという。介護スタッフの負担軽減も同時に可能となった。「利用者の満足度向上につながれば」と大林さんは言う。
 問い合わせは三つの鳳(0532・39・5111)へ。サイト(https://www.mitori.care/)にも詳細情報がある。

取材記者が体験
 9月に取材した折「お姫様抱っこをしてくれるロボットを導入するので体験してみて」と言われていた。さっそく、試してみた。
 ベッドに横になり、体の下に移動用シーツを敷く。「はい、頭の下に入れますよ」。スタッフがこまめに声をかけてくれる。
 体を支えるアームをシーツに通すのは手作業だ。SASUKEの位置を微調整しながら、頭とひさの下にアームが通った。
 「持ち上げます」。ゆっくりと体がつり上げられるが、衝撃はない。尻がベッドを離れたのも気づかないぐらい。音はしない。少し頭の位置を高くして、前が見えるようになった。そしてベッド近くの車椅子へ。ゆっくりと下ろされ、座面にぴたりと座れた。
 利用者の体の負担もなく、スタッフも労力が軽減できる。このような介護ロボットの需要はますます高まるだろう。
【山田一晶】

豊橋のナーシングホーム「三つの鳳」

 8月にオープンした豊橋市西幸町のナーシングホーム「三つの鳳(ミトリから変更)」が最新鋭の介護ロボットを導入した。県内で2例目、東三河では初めて。お年寄りらに負担をかけることなく、ベッドから車椅子への移動などをアシストする。スタッフによる実習を経て、施設利用者のために稼働する。

 三つの鳳は住宅型有料老人ホーム。利用者の生活の自由度が高いのが特徴で、20人のスタッフが働いている。
 導入した介護ロボは、大阪市中央区のロボットや医療用機器等の開発と製造「マッスル」製の「ロボットヘルパーSASUKE」。
 シーソーのようなバーにアームが取り付けられており、利用者の体の下に敷いたシートに差し込んで持ち上げる。アームの一つは頭の上、もう一つは膝の下に入る。体の角度を調整できるため、利用者は前方を見ながら、安心して身を委ねられる。
 バッテリー駆動でコードレスなこと、総重量は70㌔で女性でも簡単に取り回しが可能なことも特徴だ。
 これまでにも移動をアシストするロボットはあるが、利用者をアームで上からつり下げるタイプだった。揺れるし、落ちないかと不安になる。しかしSASUKEは下から支えるために安定感がある。
 施設長の大林三恵子さんは、導入の決め手は「利用者のため」と言い切った。人の手で支えると、体が安定しない。また、中には体がむくんでおり、ちょっとした接触だけで褥瘡(じょくそう)ができてしまう人もいる。SASUKEならそのような事態は避けられる。オープン前、介護機器の見本市を見学に行き、導入を決断したという。介護スタッフの負担軽減も同時に可能となった。「利用者の満足度向上につながれば」と大林さんは言う。
 問い合わせは三つの鳳(0532・39・5111)へ。サイト(https://www.mitori.care/)にも詳細情報がある。

取材記者が体験
 9月に取材した折「お姫様抱っこをしてくれるロボットを導入するので体験してみて」と言われていた。さっそく、試してみた。
 ベッドに横になり、体の下に移動用シーツを敷く。「はい、頭の下に入れますよ」。スタッフがこまめに声をかけてくれる。
 体を支えるアームをシーツに通すのは手作業だ。SASUKEの位置を微調整しながら、頭とひさの下にアームが通った。
 「持ち上げます」。ゆっくりと体がつり上げられるが、衝撃はない。尻がベッドを離れたのも気づかないぐらい。音はしない。少し頭の位置を高くして、前が見えるようになった。そしてベッド近くの車椅子へ。ゆっくりと下ろされ、座面にぴたりと座れた。
 利用者の体の負担もなく、スタッフも労力が軽減できる。このような介護ロボットの需要はますます高まるだろう。
【山田一晶】

到着したばかりのSASUKEを操るスタッフ
到着したばかりのSASUKEを操るスタッフ
体験する記者。この状態を「お姫様抱っこ」と呼ぶそうだ
体験する記者。この状態を「お姫様抱っこ」と呼ぶそうだ

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR