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盲導犬や障害者に優しい社会へ

相棒のメアリを得て外出機会も増えたという大友さん
相棒のメアリを得て外出機会も増えたという大友さん
盲導犬や視覚障害への理解を深める啓発活動=豊橋市立富士見小学校で
盲導犬や視覚障害への理解を深める啓発活動=豊橋市立富士見小学校で
浅井由崇市長に現状を報告する大友さんと佐野センター長(右から)=豊橋市役所で
浅井由崇市長に現状を報告する大友さんと佐野センター長(右から)=豊橋市役所で

豊橋の大友さんが啓発など理解促進へ尽力

 身体障害者補助犬法の施行から昨秋で20年が過ぎたが、今も犬同伴での入場を拒まれるなど理解が進まない地域もあるという。日本盲導犬協会は学校訪問などで理解促進への活動を展開中だ。豊橋市に住むユーザーの大友優子さん(62)も「健常者との認識の差を埋められたら」と積極的に講師役を買って出る。
 大友さんは徐々に視力が低下する病で盲導犬の補助が必要になった。静岡県富士宮市にある協会の訓練センター「富士ハーネス」から来た雌のラブラドール「アメリ」(4歳)は2020年秋からの相棒だ。
 それ以前は外出時には白杖が頼りだったが、安心して外を歩けなくなり、次第に行動範囲も狭くなったという。
 盲導犬のマッチングは簡単ではない。佐野智浩センター長によると「ユーザーの体格や歩幅に合った犬を選び、インフラ状況や交通量などの住む地域の生活環境なども踏まえて養成する。大都市と地方でも養成方法が違う」と説明する。大友さんもマッチングまで3年半待ったという。
 一方、国内の盲導犬稼働数は2000年代後半のピーク時に1000頭を超えたが、10年以降は徐々に減っている。22年4月現在で約850頭に対し希望者は3000人に上る。
 富士ハーネスは全国初の常時見学可能な訓練施設として06年に開所。犬の繁殖から終末までを総合的にケアする。目の見えない人や見えにくい人への理解を深めてもらうため、施設見学で盲導犬や視覚障害を学べるプログラムを提供する。
 また、全国各地の小中学校への出張やオンラインでの授業も展開。豊橋市内では今年度、11小学校で出前授業を開いており、大友さんも地元の市立富士見小学校でアメリとともに講師で参加している。
 アメリと暮らして2年半。大友さんは「事情を知らないので、商業施設などでは最初は驚かれるが話せばわかる。学校での啓発授業で子どもらも適切な接し方を覚えてくれた」と喜ぶ。
 今は1時間半の散歩や買い物なども可能で日常生活の不安は大幅に減った。コンサートなどイベントにも出掛けるという。一方で「不慣れなまちは十分に下調べしても不安が残る。知らない土地では認識度も分からない。啓発と理解がもっと進んでほしい」と課題を挙げた。
【加藤広宣】

豊橋の大友さんが啓発など理解促進へ尽力

 身体障害者補助犬法の施行から昨秋で20年が過ぎたが、今も犬同伴での入場を拒まれるなど理解が進まない地域もあるという。日本盲導犬協会は学校訪問などで理解促進への活動を展開中だ。豊橋市に住むユーザーの大友優子さん(62)も「健常者との認識の差を埋められたら」と積極的に講師役を買って出る。
 大友さんは徐々に視力が低下する病で盲導犬の補助が必要になった。静岡県富士宮市にある協会の訓練センター「富士ハーネス」から来た雌のラブラドール「アメリ」(4歳)は2020年秋からの相棒だ。
 それ以前は外出時には白杖が頼りだったが、安心して外を歩けなくなり、次第に行動範囲も狭くなったという。
 盲導犬のマッチングは簡単ではない。佐野智浩センター長によると「ユーザーの体格や歩幅に合った犬を選び、インフラ状況や交通量などの住む地域の生活環境なども踏まえて養成する。大都市と地方でも養成方法が違う」と説明する。大友さんもマッチングまで3年半待ったという。
 一方、国内の盲導犬稼働数は2000年代後半のピーク時に1000頭を超えたが、10年以降は徐々に減っている。22年4月現在で約850頭に対し希望者は3000人に上る。
 富士ハーネスは全国初の常時見学可能な訓練施設として06年に開所。犬の繁殖から終末までを総合的にケアする。目の見えない人や見えにくい人への理解を深めてもらうため、施設見学で盲導犬や視覚障害を学べるプログラムを提供する。
 また、全国各地の小中学校への出張やオンラインでの授業も展開。豊橋市内では今年度、11小学校で出前授業を開いており、大友さんも地元の市立富士見小学校でアメリとともに講師で参加している。
 アメリと暮らして2年半。大友さんは「事情を知らないので、商業施設などでは最初は驚かれるが話せばわかる。学校での啓発授業で子どもらも適切な接し方を覚えてくれた」と喜ぶ。
 今は1時間半の散歩や買い物なども可能で日常生活の不安は大幅に減った。コンサートなどイベントにも出掛けるという。一方で「不慣れなまちは十分に下調べしても不安が残る。知らない土地では認識度も分からない。啓発と理解がもっと進んでほしい」と課題を挙げた。
【加藤広宣】

相棒のメアリを得て外出機会も増えたという大友さん
相棒のメアリを得て外出機会も増えたという大友さん
盲導犬や視覚障害への理解を深める啓発活動=豊橋市立富士見小学校で
盲導犬や視覚障害への理解を深める啓発活動=豊橋市立富士見小学校で
浅井由崇市長に現状を報告する大友さんと佐野センター長(右から)=豊橋市役所で
浅井由崇市長に現状を報告する大友さんと佐野センター長(右から)=豊橋市役所で

カテゴリー:社会・経済

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