伊藤陽扇さん2枚組CDリリース

　伊藤民謡会家元の伊藤陽扇さん（豊橋市天伯町）が、日本コロムビアから「中部・三河路の民謡」をリリース。ＣＤ２枚組セットで、すべて自身が歌った計42曲を収めた、郷土民謡の保存版だ。全曲歌詞付きで、それぞれ解説文も添えている。税別３４２１円。
　伊藤さんは１９６０年に同好会で民謡を歌い始め、71年に伊藤民謡会を立ち上げて家元となり、81年に日本コロムビアと専属歌手契約。全国各地の民謡を発掘し、自ら歌って録音することをライフワークとしてきた。「日本的な音階で歌われる民謡は、やはり日本人の心に響き、共感を呼びます」と、伊藤さんはその魅力を語る。
　これまで「三河路の民謡を訪ねて」（81年）、「決定版・日本民謡大全集３６０」（92年）、「ザ・ベスト日本の民謡～西日本」（11年）などの民謡集を全国発売してきた伊藤さん。ほとんど歌われなくなった民謡を、古老から聞き取って復活させた東三河の民謡集などは、商業ベースに乗らないため自主制作ＣＤという形で残している。「地元の民謡でも、歌える人が少なくなった。後世へ引き継いでいかなければ」。
　今回はそれらの中から、81年～91年頃に録音した曲を選び、再編集しての全国発売。うちディスク１には「郡上節」（岐阜県）「木曽節」（長野県）など中部５県の代表的な民謡21曲、ディスク２では「吉田おんぞ唄」（豊橋市）「ざんざ節」（豊田市）「おさま甚句」（設楽町）など、東西三河の21曲を収めている。
　うち「吉田おんぞ唄」では、三味線、尺八、太鼓などの伴奏で「吉田通れば　二階から招くナ　しかも鹿の子の　振袖で…」と、旧東海道・吉田宿の遊女らをユーモラスに歌う。解説では伊藤さんの師匠に当たる服部鋭夫氏が「再び多くの人に愛唱されるよう念願している」と記した。
　
★読者10人にプレゼント★

　東愛知新聞社ではこのＣＤを、読者10人に１セットずつプレゼントします。希望者ははがきで、住所、氏名、年齢、電話番号、今後の東愛知新聞に期待することを明記し、〒４４１‐８６６６　豊橋市新栄町鳥畷62「東愛知新聞社　中部・三河路の民謡ＣＤプレゼント係」まで郵送してください。７月12日必着で、当選者にはＣＤを郵送し、発表に替えさせていただきます。
（藤田彰彦）