浜松三ヶ日・豊橋道路の早期建設求め要望

　東三河、遠州両地域の行政、経済団体でつくる浜松三ヶ日・豊橋道路建設促進期成同盟会（会長・神野吾郎豊橋商工会議所会頭）が今月、国土交通省中部地方整備局や、愛知、静岡両県に同道路の早期実現を要望した。農・工業が盛んな両地域の物流機能、防災面の向上に不可欠な道路であることを強調。今年度、国直轄の調査が進められることになり、働きかけにも力が入っている。
　浜松三ヶ日・豊橋道路は、浜松市の東名高速道路三ヶ日ジャンクション（ＪＣＴ）付近と豊橋市の国道23号バイパスを南北につなぐ地域発案の構想路線。三遠南信自動車ともつながる形となる。
　三遠地域の行政、商工会議所、商工会、農協の26団体でつくる同盟会が、実現への要望活動などを展開してきた。
　10日、ルートの大半となる静岡県に要望、豊橋、湖西、田原、新城の各市長や設楽町長、豊根村長、商工会長、両県議らが県庁で難波喬司副知事らと面会した。
　同盟会によると、神野会長が「三遠地域は農業も工業も全国有数の実績を誇る。三遠南信自動車とつながり、三遠南信地域の背骨として連携が強化される」と必要性を強調した。
　湖西市の影山剛士市長は「道路のほとんどは湖西市。ものづくりのまち湖西市としては物流の効率化、防災の広域輸送面で大きな期待を寄せている。静岡県と一緒に取り組まなければならない課題」と力添えを要請した。
　全国屈指の農業地帯・渥美半島を管内とするＪＡ愛知みなみの高瀬与志彦組合長は、具体的な販売額を示して要望。「昨年はキャベツなど青果物を中心に１８５億円を販売。その半分は東名浜松ＩＣを経由して関東、東北へ輸送している。花きも２２０億円のうち６割を浜松ＩＣから輸送」と説明し、トラック運転手の運転時間規制を踏まえ「浜松三ヶ日・豊橋道路により物流効率が向上する」と訴えた。
　浜松市の横山幸泰土木部長は「天竜林材の海外進出のため三遠南信自動車道、浜松三ヶ日・豊橋道路を介して三河港から輸出したいと考えている」と述べた。
　これらを受け、難波副知事は「投資効果の点は心配ないと考えている。ルートをどうするかが大事。早く決められるよう両県、関係市町が一体となって進めていきたい」などと話したという。
（中村晋也）