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平成の財閥解体? ~大企業の経営危機が物語るもの~

カテゴリー:コラム

本年5月、天皇陛下の退位を一代限りで認める特例法が成立し、平成時代の終焉が近づいてきました。年表を見ていただければわかりますが、日本近代史においては年号が変わる節目に大きな事件、出来事が集中して起こっています。例えば、大正から昭和に元号が変わった昭和2年には金融恐慌が起き、同4年には「満州某重大事件」に関連し、田中義一内閣が総辞職しています。
また、昭和から平成に移行するときも平成2年2月に株価の暴落が始まり、日本の不動産価格総額が米国の不動産価格総額の4倍にまで膨らんだバブル経済が崩壊していきました。因みに消費税が導入されたのも平成元年です。そして今回もすでに2年前から東芝の不正会計(現在、上場廃止の瀬戸際)、タカタのエアバッグの大量リコール(本年6月には倒産)、旭化成の杭打ちデータ改ざん、台湾の鴻海精密工業によるシャープの買収、日本郵政の巨額損失等、大企業の経営を脅かす事件が次々と明らかになっています。また、政治の世界でも本年、森友、加計学園の問題が俄かにクローズアップされ、内閣支持率も急落、7月に行われた都議会議員選挙では自民党が歴史的な敗北を喫しています。
 ところで、21世紀になってから企業の事業部門分社化の流れが次のようなメリットを求めて行われるようになりました。その一つが分権化の推進で、事業部門が企業内部にある限り、その業績責任や業績評価は不十分なものにならざるを得ませんが、分社化されると独立した法人として決算が行われ、業績管理が徹底されます。次にコスト削減で、別会社となることで親会社と異なる人事・賃金体系を採用しやすくなり、人件費を削減することができます。さらに企業規模が小さくなることによって意思決定が迅速化し、経営が効率化される効果が期待できます。また、本業とは異なる新規事業を展開するときに、事業リスクが遮断できるという効果もあります。これらのメリットを追求するために企業の事業分社化の流れが近年、大きな潮流となってきましたが、現在は東芝の例が顕著ですが、経営危機に陥ったために大企業の事業部門が分割、解体されていくという段階に入り始めています。本社から儲かっている、社会に必要とされている事業部門から切り離されていくという不思議な現象が起きていることも見落としてはならない処です。考えてみれば、戦後の経済復興は「日本株式会社」と言われた官民一体の混合経済と冷戦体制のなかで大国アメリカの保護が得られるという基盤によって成立したものでした。冷戦が終了し、上記の基盤が崩壊するなかで日本の多くの企業が淘汰されていきました。そして平成時代は1989年に始まった日米構造協議に端を発する規制緩和の時代でした。そしてその平成時代(規制緩和、構造改革の時代)も終焉が近づいています。そのことを象徴する一つの事件が国家戦略特区に関する加計学園問題です。この問題の意味は、構造改革、規制緩和の裏に隠されてきた利権構造が表に出てきたことにあります。興味深いのは日本近代史を俯瞰すると、その時代の大企業の経営危機は世の中が変わっていく兆候であることが浮かび上がってくることです。何れにしても時代が変わる時、現在の常識は、いつの間にか古い常識になり、消え去っていく運命にあります。その意味で、120年の歴史を誇る19万人企業、東芝が原子力部門の重みに耐えかねて沈没しようとしていることほど、世の移り変わりを象徴していることはありません。
(取締役統括本部長 山本正樹)

本年5月、天皇陛下の退位を一代限りで認める特例法が成立し、平成時代の終焉が近づいてきました。年表を見ていただければわかりますが、日本近代史においては年号が変わる節目に大きな事件、出来事が集中して起こっています。例えば、大正から昭和に元号が変わった昭和2年には金融恐慌が起き、同4年には「満州某重大事件」に関連し、田中義一内閣が総辞職しています。
また、昭和から平成に移行するときも平成2年2月に株価の暴落が始まり、日本の不動産価格総額が米国の不動産価格総額の4倍にまで膨らんだバブル経済が崩壊していきました。因みに消費税が導入されたのも平成元年です。そして今回もすでに2年前から東芝の不正会計(現在、上場廃止の瀬戸際)、タカタのエアバッグの大量リコール(本年6月には倒産)、旭化成の杭打ちデータ改ざん、台湾の鴻海精密工業によるシャープの買収、日本郵政の巨額損失等、大企業の経営を脅かす事件が次々と明らかになっています。また、政治の世界でも本年、森友、加計学園の問題が俄かにクローズアップされ、内閣支持率も急落、7月に行われた都議会議員選挙では自民党が歴史的な敗北を喫しています。
 ところで、21世紀になってから企業の事業部門分社化の流れが次のようなメリットを求めて行われるようになりました。その一つが分権化の推進で、事業部門が企業内部にある限り、その業績責任や業績評価は不十分なものにならざるを得ませんが、分社化されると独立した法人として決算が行われ、業績管理が徹底されます。次にコスト削減で、別会社となることで親会社と異なる人事・賃金体系を採用しやすくなり、人件費を削減することができます。さらに企業規模が小さくなることによって意思決定が迅速化し、経営が効率化される効果が期待できます。また、本業とは異なる新規事業を展開するときに、事業リスクが遮断できるという効果もあります。これらのメリットを追求するために企業の事業分社化の流れが近年、大きな潮流となってきましたが、現在は東芝の例が顕著ですが、経営危機に陥ったために大企業の事業部門が分割、解体されていくという段階に入り始めています。本社から儲かっている、社会に必要とされている事業部門から切り離されていくという不思議な現象が起きていることも見落としてはならない処です。考えてみれば、戦後の経済復興は「日本株式会社」と言われた官民一体の混合経済と冷戦体制のなかで大国アメリカの保護が得られるという基盤によって成立したものでした。冷戦が終了し、上記の基盤が崩壊するなかで日本の多くの企業が淘汰されていきました。そして平成時代は1989年に始まった日米構造協議に端を発する規制緩和の時代でした。そしてその平成時代(規制緩和、構造改革の時代)も終焉が近づいています。そのことを象徴する一つの事件が国家戦略特区に関する加計学園問題です。この問題の意味は、構造改革、規制緩和の裏に隠されてきた利権構造が表に出てきたことにあります。興味深いのは日本近代史を俯瞰すると、その時代の大企業の経営危機は世の中が変わっていく兆候であることが浮かび上がってくることです。何れにしても時代が変わる時、現在の常識は、いつの間にか古い常識になり、消え去っていく運命にあります。その意味で、120年の歴史を誇る19万人企業、東芝が原子力部門の重みに耐えかねて沈没しようとしていることほど、世の移り変わりを象徴していることはありません。
(取締役統括本部長 山本正樹)

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