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新城の千郷中 「NIE」の取り組み㊤

ウオーキング大会の会場選びを話し合う1年C組の生徒たちと見守る今泉校長㊧と金田教諭=新城・千郷中で
ウオーキング大会の会場選びを話し合う1年C組の生徒たちと見守る今泉校長㊧と金田教諭=新城・千郷中で

新聞から古里を知る

 午前9時45分、新城・千郷中1年C組。総合学習「わたしたちがつくる新城」の授業が始まった。この日のテーマは、「ウオーキング大会の開催場所を決めよう」。指導は金田茂己教諭(31)。
 C組では、これまで「新城を元気にするために」「新城を市外の人にも知って、訪れてもらうために」話し合ってきた。
 生徒たちの手元には新城で開かれた各種イベントを伝える記事の切り抜き。どこで、どんなイベントがあったのかを話し合う材料だ。
 この日の授業では、ウオーキング大会をどこで開けばいいのかを5~6人のグループに分かれて相談し、意見をまとめて報告・発表し合った。
 県営総合公園、四谷の千枚田、桜淵公園、長篠設楽原PA、設楽原歴史資料館などが挙がった。いずれも「新城ならではの場所。自然や歴史があふれている。新城の良さを知ってもらえる」と推された。
 意見交換の後の1回目の「採決」では千枚田が有力になった。日本の原風景といわれる棚田の周囲には自然があふれている。これが「売り」だった。
 しかし、駐車場所や交通の利便性などの点から、最終の「採決」では、ほぼ全員が「桜淵公園派」に転じた。授業は50分を大きく超え、「いま決めてしまいたい」という生徒たちの希望で30分延長された。
 見守った今泉雅晴校長はいう。「教師もどういう結論になるか分からないまま授業を進めている。次の展開を考え、今夜は相当悩むのではないですかね」
 「次回はウオーキング大会のコースづくりを考えよう」と金田先生。「次回までに新城市の良さを伝える新聞記事を1本探してくるように。これを宿題とします」

きっかけは〝消滅可能性都市〟

 総合学習「わたしたちがつくる新城」を行うきっかけは一つの新聞記事だった。
 出産適齢の20~30代の女性数が現状より半分以下に減少し、人口そのものが減る市町村のリストの中に新城市が含まれ、消滅可能性都市に挙げられたという記事だ。
 生徒たちに衝撃を与えた。我が町が消える―。「消滅」という言葉にショックを受けた。「新城を元気にするプランを考えよう」
 行動の手始めは新聞だった。記事から、まず自分たちの「ふる里・新城」の素晴らしさを学ぼう。記事に目を配り、新城の元気づくりに役立つことを話し合い、行動しよう。
 新聞を手にした生徒たちの学びが始まった。
 ―新聞を読むことであなたは変わりましたか。
 生徒A「変わった。ぼくたちが新城を元気にしないと、という気持ちを持つようになった」
 生徒B「新城にはいいところが多い。田舎だと思っていたけれど、意外に良い町だと思うようになった」
 4日、C組は金田先生の指導でNIE全国大会・名古屋大会で公開授業を行う。

 全国でNIE(教育に新聞を)活動が進められている。児童生徒たちは新聞を開いて、学び、考えようとしている。活動の現場を見た。

新聞から古里を知る

 午前9時45分、新城・千郷中1年C組。総合学習「わたしたちがつくる新城」の授業が始まった。この日のテーマは、「ウオーキング大会の開催場所を決めよう」。指導は金田茂己教諭(31)。
 C組では、これまで「新城を元気にするために」「新城を市外の人にも知って、訪れてもらうために」話し合ってきた。
 生徒たちの手元には新城で開かれた各種イベントを伝える記事の切り抜き。どこで、どんなイベントがあったのかを話し合う材料だ。
 この日の授業では、ウオーキング大会をどこで開けばいいのかを5~6人のグループに分かれて相談し、意見をまとめて報告・発表し合った。
 県営総合公園、四谷の千枚田、桜淵公園、長篠設楽原PA、設楽原歴史資料館などが挙がった。いずれも「新城ならではの場所。自然や歴史があふれている。新城の良さを知ってもらえる」と推された。
 意見交換の後の1回目の「採決」では千枚田が有力になった。日本の原風景といわれる棚田の周囲には自然があふれている。これが「売り」だった。
 しかし、駐車場所や交通の利便性などの点から、最終の「採決」では、ほぼ全員が「桜淵公園派」に転じた。授業は50分を大きく超え、「いま決めてしまいたい」という生徒たちの希望で30分延長された。
 見守った今泉雅晴校長はいう。「教師もどういう結論になるか分からないまま授業を進めている。次の展開を考え、今夜は相当悩むのではないですかね」
 「次回はウオーキング大会のコースづくりを考えよう」と金田先生。「次回までに新城市の良さを伝える新聞記事を1本探してくるように。これを宿題とします」

きっかけは〝消滅可能性都市〟

 総合学習「わたしたちがつくる新城」を行うきっかけは一つの新聞記事だった。
 出産適齢の20~30代の女性数が現状より半分以下に減少し、人口そのものが減る市町村のリストの中に新城市が含まれ、消滅可能性都市に挙げられたという記事だ。
 生徒たちに衝撃を与えた。我が町が消える―。「消滅」という言葉にショックを受けた。「新城を元気にするプランを考えよう」
 行動の手始めは新聞だった。記事から、まず自分たちの「ふる里・新城」の素晴らしさを学ぼう。記事に目を配り、新城の元気づくりに役立つことを話し合い、行動しよう。
 新聞を手にした生徒たちの学びが始まった。
 ―新聞を読むことであなたは変わりましたか。
 生徒A「変わった。ぼくたちが新城を元気にしないと、という気持ちを持つようになった」
 生徒B「新城にはいいところが多い。田舎だと思っていたけれど、意外に良い町だと思うようになった」
 4日、C組は金田先生の指導でNIE全国大会・名古屋大会で公開授業を行う。

 全国でNIE(教育に新聞を)活動が進められている。児童生徒たちは新聞を開いて、学び、考えようとしている。活動の現場を見た。

ウオーキング大会の会場選びを話し合う1年C組の生徒たちと見守る今泉校長㊧と金田教諭=新城・千郷中で
ウオーキング大会の会場選びを話し合う1年C組の生徒たちと見守る今泉校長㊧と金田教諭=新城・千郷中で

カテゴリー:地域・教育 / 特集

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