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一九三七年 飯田線開通 愛されて80年①

JRと名鉄の共用区間を走る飯田線。右側が名鉄の線路=豊川市の平井信号場付近で
JRと名鉄の共用区間を走る飯田線。右側が名鉄の線路=豊川市の平井信号場付近で
JR仕様の駅名標だが、隣駅は名鉄の「いな」(伊奈)と表示される=豊橋駅で
JR仕様の駅名標だが、隣駅は名鉄の「いな」(伊奈)と表示される=豊橋駅で

JRと名鉄 90年間共用

 東三河から三遠南信、伊那までを結ぶ飯田線が、20日で全線開通80周年を迎える。愛知、静岡、長野の山間部を走り続け、東三河地方では旅客輸送を中心に地域の発展を支えた。地元にまつわる“飯田線ストーリー”を紹介する。

 地域住民に支えれる飯田線だが、全線開業よりも以前にさかのぼる90年前の取り決めにより、ライバルとも言うべき他の鉄道会社の協力で運行が成り立っている。豊川市平井町から豊橋駅までの約4㌔の区間は、JRと名鉄の共用区間だ。
 平井信号場から豊橋駅までの上り線は名鉄が、下り線はJRがそれぞれ所有。名鉄所有の上り線を両社の豊橋方面行き電車が、下り線を両社の中部天竜・名鉄岐阜方面行き電車が走る。共用区間内には下地、船町駅があるが、この2駅は飯田線の駅のため、名鉄は停車しない。
 飯田線が開業した1897(明治30)年、同線の所有者は私鉄の豊川鉄道だった。大正末期、現在の名鉄にあたる愛知電気鉄道が神宮前から東へ路線を延伸。豊川(とよがわ)などの架橋建設費などを節約するため、豊川鉄道に乗り入れを提案した。1927(昭和2)年6月、現・伊奈駅~豊橋(当時は吉田駅)の開通を機に、飯田線との共用路線の協定が交わされた。
 これは飯田線の国有化後も引き継がれ、今に至る。締結までに両社の攻防もあり、「古地図で楽しむ三河」(風媒社)によると、愛知電気鉄道が豊川や豊橋北部を通る新路線を計画したことから「豊川鉄道は名古屋方面からの(豊川稲荷への)参詣客を奪われる懸念に加え、豊橋の政財界も豊橋駅を経由しないルート案に動揺したこともあり、乗り入れに妥協した」とされている。
 現在、共用区間の信号や電気、運行管理は飯田線を持つJR東海が担う。名鉄の運行は1時間に6本までに制限され、飯田線を優先。名鉄は豊橋始発の電車は特急が主体で、普通電車は隣の伊奈駅発着が多い。特急に搭載されるミュージックホーンも、この区間ではJRの規定に基づいて使用されない。
 また、名鉄が乗り入れる豊橋駅の3番ホームにはJR仕様でロゴマーク入も入った駅名標がある。記された隣駅は船町(飯田線)ではなく、名鉄線の伊奈だ。両線の歴史と絆を象徴している。
(由本裕貴)

 ◆飯田線◆ 1897年に豊川鉄道により最初の区間として豊橋駅~豊川駅が開業され、1900年に大海駅(新城市)まで開通。1923年には鳳来寺鉄道によって大海駅~三河川合駅が開業され、三信鉄道や伊那電気鉄道によって静岡、長野県方面が開通。1943年に私鉄4社が国有化され、飯田線となった。起点・豊橋駅~終点・辰野駅(長野県上伊那郡)。総延長約195㌔に94駅がある。

JRと名鉄 90年間共用

 東三河から三遠南信、伊那までを結ぶ飯田線が、20日で全線開通80周年を迎える。愛知、静岡、長野の山間部を走り続け、東三河地方では旅客輸送を中心に地域の発展を支えた。地元にまつわる“飯田線ストーリー”を紹介する。

 地域住民に支えれる飯田線だが、全線開業よりも以前にさかのぼる90年前の取り決めにより、ライバルとも言うべき他の鉄道会社の協力で運行が成り立っている。豊川市平井町から豊橋駅までの約4㌔の区間は、JRと名鉄の共用区間だ。
 平井信号場から豊橋駅までの上り線は名鉄が、下り線はJRがそれぞれ所有。名鉄所有の上り線を両社の豊橋方面行き電車が、下り線を両社の中部天竜・名鉄岐阜方面行き電車が走る。共用区間内には下地、船町駅があるが、この2駅は飯田線の駅のため、名鉄は停車しない。
 飯田線が開業した1897(明治30)年、同線の所有者は私鉄の豊川鉄道だった。大正末期、現在の名鉄にあたる愛知電気鉄道が神宮前から東へ路線を延伸。豊川(とよがわ)などの架橋建設費などを節約するため、豊川鉄道に乗り入れを提案した。1927(昭和2)年6月、現・伊奈駅~豊橋(当時は吉田駅)の開通を機に、飯田線との共用路線の協定が交わされた。
 これは飯田線の国有化後も引き継がれ、今に至る。締結までに両社の攻防もあり、「古地図で楽しむ三河」(風媒社)によると、愛知電気鉄道が豊川や豊橋北部を通る新路線を計画したことから「豊川鉄道は名古屋方面からの(豊川稲荷への)参詣客を奪われる懸念に加え、豊橋の政財界も豊橋駅を経由しないルート案に動揺したこともあり、乗り入れに妥協した」とされている。
 現在、共用区間の信号や電気、運行管理は飯田線を持つJR東海が担う。名鉄の運行は1時間に6本までに制限され、飯田線を優先。名鉄は豊橋始発の電車は特急が主体で、普通電車は隣の伊奈駅発着が多い。特急に搭載されるミュージックホーンも、この区間ではJRの規定に基づいて使用されない。
 また、名鉄が乗り入れる豊橋駅の3番ホームにはJR仕様でロゴマーク入も入った駅名標がある。記された隣駅は船町(飯田線)ではなく、名鉄線の伊奈だ。両線の歴史と絆を象徴している。
(由本裕貴)

 ◆飯田線◆ 1897年に豊川鉄道により最初の区間として豊橋駅~豊川駅が開業され、1900年に大海駅(新城市)まで開通。1923年には鳳来寺鉄道によって大海駅~三河川合駅が開業され、三信鉄道や伊那電気鉄道によって静岡、長野県方面が開通。1943年に私鉄4社が国有化され、飯田線となった。起点・豊橋駅~終点・辰野駅(長野県上伊那郡)。総延長約195㌔に94駅がある。

JRと名鉄の共用区間を走る飯田線。右側が名鉄の線路=豊川市の平井信号場付近で
JRと名鉄の共用区間を走る飯田線。右側が名鉄の線路=豊川市の平井信号場付近で
JR仕様の駅名標だが、隣駅は名鉄の「いな」(伊奈)と表示される=豊橋駅で
JR仕様の駅名標だが、隣駅は名鉄の「いな」(伊奈)と表示される=豊橋駅で

カテゴリー:社会・経済 / 特集

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