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豊橋など襲った竜巻から1カ月

屋根瓦などの修繕が進められている住宅=豊橋市前芝町で
屋根瓦などの修繕が進められている住宅=豊橋市前芝町で

 豊橋市などを襲った竜巻から1カ月が過ぎた。甚大な被害があった同市前芝校区を中心に被災した人たちは生活再建へ懸命に歩みを進める一方で、修繕費が重くのしかかり、心の傷も残る。
 被害は、子どもや年配者ら3人が負傷。前芝、高洲、富久縞、西浜各町などで家屋が壊れ、住家は全壊3棟、半壊6棟、一部損壊52棟の計61棟で、店舗や空き家、倉庫など非住家が23棟の84棟にのぼった。
 市は被災者支援を継続し、市役所担当課窓口、防災危機管理課で相談を受け付けている。
 発生から1カ月となった7日、前芝町の青木一夫さんは、屋根だけを残し骨組みとなった2階の片づけに汗を流していた。「業者のお盆休みがあり、思ったより修復は進んでいない」と話す。
 台風などの報道を見て「いつまた大雨に見舞われるのか分からない」と不安を募らせ、保険の査定結果を待たずに工事を始めた。農機具小屋も全壊し、今も手付かずのままだ。保険に入っていない農機具小屋を含む3棟の修繕費は1000万円以上かかると見込まれ、「お金の不安がないと言えば嘘になる」と語る。
 また、自宅が一部損壊だった男性(71)も「どれくらいかかるのか」と心配する。駐車場のカーポートは飛び、門扉はいまだに片側がない。保険の査定待ちだ。
 突然、竜巻に襲われた住民の中には心に傷を負った人もいる。杢野冨美子さん(72)は、テレビで竜巻注意報が流れるたびに体が緊張するようになった。自宅の庭には隣からコンテナが吹き飛んできたほか、舞い上がった軽乗用車は間一髪で家にはぶつからず、フェンスをぐにゃりと曲げた。築50年という住宅の土壁は雨で溶け出し、畳は水浸し。1週間後には右足薬指の骨折が判明し、体調もすぐれない日々を過ごしてきた。
 「きょうで1カ月、ようやく落ち着いてきた」。家も心も大きな被害を受けたにもかかわらず、懸命に前を向く。
(飯塚雪)

 豊橋市などを襲った竜巻から1カ月が過ぎた。甚大な被害があった同市前芝校区を中心に被災した人たちは生活再建へ懸命に歩みを進める一方で、修繕費が重くのしかかり、心の傷も残る。
 被害は、子どもや年配者ら3人が負傷。前芝、高洲、富久縞、西浜各町などで家屋が壊れ、住家は全壊3棟、半壊6棟、一部損壊52棟の計61棟で、店舗や空き家、倉庫など非住家が23棟の84棟にのぼった。
 市は被災者支援を継続し、市役所担当課窓口、防災危機管理課で相談を受け付けている。
 発生から1カ月となった7日、前芝町の青木一夫さんは、屋根だけを残し骨組みとなった2階の片づけに汗を流していた。「業者のお盆休みがあり、思ったより修復は進んでいない」と話す。
 台風などの報道を見て「いつまた大雨に見舞われるのか分からない」と不安を募らせ、保険の査定結果を待たずに工事を始めた。農機具小屋も全壊し、今も手付かずのままだ。保険に入っていない農機具小屋を含む3棟の修繕費は1000万円以上かかると見込まれ、「お金の不安がないと言えば嘘になる」と語る。
 また、自宅が一部損壊だった男性(71)も「どれくらいかかるのか」と心配する。駐車場のカーポートは飛び、門扉はいまだに片側がない。保険の査定待ちだ。
 突然、竜巻に襲われた住民の中には心に傷を負った人もいる。杢野冨美子さん(72)は、テレビで竜巻注意報が流れるたびに体が緊張するようになった。自宅の庭には隣からコンテナが吹き飛んできたほか、舞い上がった軽乗用車は間一髪で家にはぶつからず、フェンスをぐにゃりと曲げた。築50年という住宅の土壁は雨で溶け出し、畳は水浸し。1週間後には右足薬指の骨折が判明し、体調もすぐれない日々を過ごしてきた。
 「きょうで1カ月、ようやく落ち着いてきた」。家も心も大きな被害を受けたにもかかわらず、懸命に前を向く。
(飯塚雪)

屋根瓦などの修繕が進められている住宅=豊橋市前芝町で
屋根瓦などの修繕が進められている住宅=豊橋市前芝町で

カテゴリー:社会・経済

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