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豊橋で3日から「ガンボ!」上演

日系ブラジル人のルーツなど盛り込んだ演劇「ガンボ!」。高校生たちが本番へ向け練習に励んでいる=プラットで
日系ブラジル人のルーツなど盛り込んだ演劇「ガンボ!」。高校生たちが本番へ向け練習に励んでいる=プラットで

 東三河の高校生がプロの演出家らと創る演劇「ガンボ!-それはフクザツな生まれの料理の名前 あるいはフクザツな生まれのあたしらの歌」が3日、3日間の日程で豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットアートスペースを会場に上演される。脚本は、地元の日系ブラジル人の高校生らの実体験や移民のルーツを盛り込んだ演出家・青木豪さんオリジナル。個性を認め合いながら調和していく高校生たちの姿を明るく表現する。
 豊橋市は、日系ブラジル人を含む約1万5000人(今年4月現在)が暮らす外国人集住都市。青木さんは、プラット側の提案で1990(平成2)年の入管法改正で増加した外国人人口や、日本人がブラジルへ渡った経緯を調べ、市内の国際交流協会や東三河の外国籍生徒にもインタビューした。
 脚本には、キャストの1人で、ブラジルと日本のハーフの中村愛利彩さん(18)=県立豊丘高校3年=が体験したちょっとした偏見も盛り込まれる。
 例えば、中学時代、給食の時間に味が悪いブラジル料理が出た際、クラスメイトたちから「いつも食べてるでしょ。じゃあよろしく」と押し付けられた。バイト先の先輩からは「外国人だもんね」と突き放されたり、友人とのケンカで「(ブラジルに)帰れ」と言われたりしたという。
 「そういうときは、外国で日本に帰れと言われたらどう思う?って聞くんです。私も人間だから、日本語は理解できるし、差別しないでって」と中村さん。
 一方で、ルーツや移住のいきさつなど、デリケートな問題について話す彼らは「意外にも明るかった」とプラットの劇担当者。タイトルになった米国のごった煮のスープ料理「ガンボ」のように個性がぶつかりながら繰り広げられるパワフルな舞台に、外国人たちの等身大の日常も散りばめられている。
 ストーリーは、高校の料理部が料理コンテストに出場するのをきっかけに、複雑に絡み合う人間模様を描く。
 5月のオーデションで選ばれた地元の高校生15人のキャストは、文学座の稲葉賀恵さんや振付家の下司尚実さんら、多彩なプロと9月下旬から稽古に励んできた。
 中村さんが舞台で伝えたいのは「外国人を差別しないで。国を超え、全員一緒に仲良くしたい」。
 「ガンボ!」は、3、4両日が午後1時と同6時、5日は午後1時の5公演。観覧料は一般2000円、24歳以下1000円、高校生以下500円。当日券も発売する。
 問い合わせは、プラットチケットセンター(0532・39・3090)へ。
(飯塚雪)

 東三河の高校生がプロの演出家らと創る演劇「ガンボ!-それはフクザツな生まれの料理の名前 あるいはフクザツな生まれのあたしらの歌」が3日、3日間の日程で豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットアートスペースを会場に上演される。脚本は、地元の日系ブラジル人の高校生らの実体験や移民のルーツを盛り込んだ演出家・青木豪さんオリジナル。個性を認め合いながら調和していく高校生たちの姿を明るく表現する。
 豊橋市は、日系ブラジル人を含む約1万5000人(今年4月現在)が暮らす外国人集住都市。青木さんは、プラット側の提案で1990(平成2)年の入管法改正で増加した外国人人口や、日本人がブラジルへ渡った経緯を調べ、市内の国際交流協会や東三河の外国籍生徒にもインタビューした。
 脚本には、キャストの1人で、ブラジルと日本のハーフの中村愛利彩さん(18)=県立豊丘高校3年=が体験したちょっとした偏見も盛り込まれる。
 例えば、中学時代、給食の時間に味が悪いブラジル料理が出た際、クラスメイトたちから「いつも食べてるでしょ。じゃあよろしく」と押し付けられた。バイト先の先輩からは「外国人だもんね」と突き放されたり、友人とのケンカで「(ブラジルに)帰れ」と言われたりしたという。
 「そういうときは、外国で日本に帰れと言われたらどう思う?って聞くんです。私も人間だから、日本語は理解できるし、差別しないでって」と中村さん。
 一方で、ルーツや移住のいきさつなど、デリケートな問題について話す彼らは「意外にも明るかった」とプラットの劇担当者。タイトルになった米国のごった煮のスープ料理「ガンボ」のように個性がぶつかりながら繰り広げられるパワフルな舞台に、外国人たちの等身大の日常も散りばめられている。
 ストーリーは、高校の料理部が料理コンテストに出場するのをきっかけに、複雑に絡み合う人間模様を描く。
 5月のオーデションで選ばれた地元の高校生15人のキャストは、文学座の稲葉賀恵さんや振付家の下司尚実さんら、多彩なプロと9月下旬から稽古に励んできた。
 中村さんが舞台で伝えたいのは「外国人を差別しないで。国を超え、全員一緒に仲良くしたい」。
 「ガンボ!」は、3、4両日が午後1時と同6時、5日は午後1時の5公演。観覧料は一般2000円、24歳以下1000円、高校生以下500円。当日券も発売する。
 問い合わせは、プラットチケットセンター(0532・39・3090)へ。
(飯塚雪)

日系ブラジル人のルーツなど盛り込んだ演劇「ガンボ!」。高校生たちが本番へ向け練習に励んでいる=プラットで
日系ブラジル人のルーツなど盛り込んだ演劇「ガンボ!」。高校生たちが本番へ向け練習に励んでいる=プラットで

カテゴリー:芸能・文化 / イベント

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