御津高生徒2人が英検1級合格

　豊川市の県立御津高校（木藤政美校長）の国際教養科の生徒２人が今月、英語検定の最高峰となる１級合格を果たした。超難関の突破に、木藤校長は「おそらく本校では初めて」と言う。準１級にも同校から10人の合格者が出た。
　合格したのは３年の田中真緒さん（18）と２年のサミン・アールジェイ君（16）。リーディングやリスニング、筆記などを行う１次試験を通過し、課題に沿った２分間のスピーチと質疑応答でなる２次試験も合格し“勲章”を手にした。
　小学生の頃、父の転勤で米国ミシガン州で５年間暮らした田中さんは２次試験は３度目の挑戦での合格。「何回も落ちたから、すごい達成感がある」と喜ぶ。２次試験のスピーチでは時事問題も出るため、テレビのニュースとインターネットの英文記事を頭にたたき込み、備えた。
　フィリピン国籍のサミン君は小４で来日以来、日本語と一緒に英語を学んできた。同居する祖父母は母国語のタガログ語しか話せないため、テレビのニュースを英語で翻訳して紹介し、対策にあてた。「今後は日本語検定や漢字検定にも挑戦したい」と向上心をのぞかせた。
　英検２級は大学受験レベル、準１級は大学中級程度の学力、１級は高い英語力に加えて論理性なども必要とされ、英語教諭でも合格が難しいとされる。外国語教育に力を入れる同校では歴史的な快挙となった。
　「卒業後は米国の大学に進み、将来はホテルで働きたい」と話す田中さん。サミン君も「いろんな国の文化に触れられる仕事をしたい」と夢を語った。
（由本裕貴）