「とよはしの匠」認定

兵藤さんと女性初の山口さん

　豊橋市は、市内でものづくりに携わり、卓越した技能を持つ「とよはしの匠」に注文服縫製の兵藤義男さん（67）＝同市松井町＝と寝具製作の山口清子さん（65）＝同三ノ輪町＝を認定し、25日、市役所で認定証を手渡した。女性の認定は初めて。
　今年で20回目の節目を迎えた「とよはしの匠」は、地域産業の活性化と次世代の人材育成を目的に実施し、豊橋技術科学大学の大西隆学長らが審査した。
　兵藤さんは16歳から縫製の道を歩み始め、「肩の凝らないスーツ」を作るために最も重要な袖付け作業に卓越した技を持つ。勤務するオーダースーツメーカー「アルデックス」（菰口町）では、工場全体の生産指導や若手仕立士の育成にも尽力する。
　一方、寝具製作一級技能士の山口さんは、嫁ぎ先の山口ふとん店（三ノ輪町）で40年以上にわたり、綿の配合を改良したり、入れ方を工夫したりするなど、寝心地のいい寝具作りを追求している。
　式では、山口さんが代表であいさつし「地味な仕事だが、この道一筋でやってきたことがつながった。これからも若い人たちと共に励んでいきたい」と前を見据えた。

「明日の匠」に石原さん

　また、この日は、45歳以下の若手技能職者を対象にした「明日の匠」で和菓子店「絹藤」（菰口町）の職人・石原幸英さん（44）＝同馬見塚町＝が認定を受けた。一級菓子製造技能士として、高度な技術と持ち前の感性でオリジナル商品の開発に意欲的に取り組むとともに、担い手作りにも積極的な点が高く評価された。
（飯塚雪）