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広域・経済回顧

カテゴリー:特集

ゆっくりとシャッターが降り、閉館した名豊ビル=豊橋市駅前大通2で(4月30日撮影)
ゆっくりとシャッターが降り、閉館した名豊ビル=豊橋市駅前大通2で(4月30日撮影)

 東三河の経済は、依然として景気回復の実感が乏しいままの1年となった。こうした中、豊橋市中心部では長く親しまれてきた「名豊ビル」が再開発事業のため半世紀の歴史に幕を下ろした。広域では、東三河広域連合が来年4月の介護保険者統合に向けた準備を進めたほか、構想路線「浜松三ヶ日・豊橋道路」は国直轄の調査が始まり、実現へ新たな一歩を踏み出した。
 豊橋市駅前大通2で営業していた名豊ビルは4月30日、ファイナルセレモニーが行われ、ゆっくりとシャッターを閉じた。
 1968(昭和43)年、109店舗による「ハイショップ名豊」をはじめ、豊橋グランドホテルや中日文化センターがオープン。70年代、ピーク時には休日にもなると、1万人から1万2000人が来場していたという。
 ビルは取り壊され、跡地には再開発事業で24階建てビルが誕生する。
 同市では、総合スーパー「イトーヨーカドー豊橋店」(藤沢町)が1月9日に閉店し、38年の歴史に幕。跡地には10月、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ豊橋店」が東三河で初めてオープンした。蒲郡市鹿島町の複合商業施設内にも11月、開店した。
 今年は、江戸時代末期の1867(慶応3)年に豊橋市で起こったとされる民衆運動「ええじゃないか」から150年の節目を迎えた。
 豊橋商工会議所青年部や市役所職員の有志が7月、行脚隊を結成し、市内で「お札まき」を実施。市内の官民でつくる「ええじゃないか魂創出協議会」は、「明日を拓く熱意の伝播、歴史を動かす力の増幅、ええじゃないかは次代をつくる原動力」とする「ええじゃないか宣言」を発表した。
 先進的な取り組み、健康経営も進展した。
 サーラコーポレーション(豊橋市)のグループ、発電事業会社「サーラeパワー」は7月、豊橋市新西浜町の三河港臨海部で木質バイオマス発電所「東三河バイオマス発電所」の建設に着手。輸入材のほか、東三河や遠州の未利用材も燃料に使用し、電力の地産地消を実現させる。再来年7月の稼働を予定。
また、蒲郡商工会議所と会員企業の小森、小池商事が8月、経産省の「健康経営優良法人」の中小企業法人部門に認定された。
 一方、広域では、浜松三ヶ日・豊橋道路について、国土交通省中部地方整備局が3月、「広域的な道路ネットワークとして求められる機能の検討を実施」などと調査することを示した。
 8市町村でつくる東三河広域連合は、共同処理事務の柱、介護保険事業の保険者統合に向け、介護保険事業計画の策定など準備を進めた。来年度の実施を目指している。
 このほか、県境を接する東三河、遠州、南信州3地域の一体的な振興について議論する「三遠南信サミット」は10月、浜松市内で開かれた。広域連合設置については引き続き研究するとともに、設置に向けた第一歩として、来年度中に総務省の「連携中枢都市圏」などの制度活用を検討する。同地域の新たな10年を展望する新ビジョンの策定作業も始めた。
(中村晋也)

 東三河の経済は、依然として景気回復の実感が乏しいままの1年となった。こうした中、豊橋市中心部では長く親しまれてきた「名豊ビル」が再開発事業のため半世紀の歴史に幕を下ろした。広域では、東三河広域連合が来年4月の介護保険者統合に向けた準備を進めたほか、構想路線「浜松三ヶ日・豊橋道路」は国直轄の調査が始まり、実現へ新たな一歩を踏み出した。
 豊橋市駅前大通2で営業していた名豊ビルは4月30日、ファイナルセレモニーが行われ、ゆっくりとシャッターを閉じた。
 1968(昭和43)年、109店舗による「ハイショップ名豊」をはじめ、豊橋グランドホテルや中日文化センターがオープン。70年代、ピーク時には休日にもなると、1万人から1万2000人が来場していたという。
 ビルは取り壊され、跡地には再開発事業で24階建てビルが誕生する。
 同市では、総合スーパー「イトーヨーカドー豊橋店」(藤沢町)が1月9日に閉店し、38年の歴史に幕。跡地には10月、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ豊橋店」が東三河で初めてオープンした。蒲郡市鹿島町の複合商業施設内にも11月、開店した。
 今年は、江戸時代末期の1867(慶応3)年に豊橋市で起こったとされる民衆運動「ええじゃないか」から150年の節目を迎えた。
 豊橋商工会議所青年部や市役所職員の有志が7月、行脚隊を結成し、市内で「お札まき」を実施。市内の官民でつくる「ええじゃないか魂創出協議会」は、「明日を拓く熱意の伝播、歴史を動かす力の増幅、ええじゃないかは次代をつくる原動力」とする「ええじゃないか宣言」を発表した。
 先進的な取り組み、健康経営も進展した。
 サーラコーポレーション(豊橋市)のグループ、発電事業会社「サーラeパワー」は7月、豊橋市新西浜町の三河港臨海部で木質バイオマス発電所「東三河バイオマス発電所」の建設に着手。輸入材のほか、東三河や遠州の未利用材も燃料に使用し、電力の地産地消を実現させる。再来年7月の稼働を予定。
また、蒲郡商工会議所と会員企業の小森、小池商事が8月、経産省の「健康経営優良法人」の中小企業法人部門に認定された。
 一方、広域では、浜松三ヶ日・豊橋道路について、国土交通省中部地方整備局が3月、「広域的な道路ネットワークとして求められる機能の検討を実施」などと調査することを示した。
 8市町村でつくる東三河広域連合は、共同処理事務の柱、介護保険事業の保険者統合に向け、介護保険事業計画の策定など準備を進めた。来年度の実施を目指している。
 このほか、県境を接する東三河、遠州、南信州3地域の一体的な振興について議論する「三遠南信サミット」は10月、浜松市内で開かれた。広域連合設置については引き続き研究するとともに、設置に向けた第一歩として、来年度中に総務省の「連携中枢都市圏」などの制度活用を検討する。同地域の新たな10年を展望する新ビジョンの策定作業も始めた。
(中村晋也)

ゆっくりとシャッターが降り、閉館した名豊ビル=豊橋市駅前大通2で(4月30日撮影)
ゆっくりとシャッターが降り、閉館した名豊ビル=豊橋市駅前大通2で(4月30日撮影)

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