東京五輪サーフィン、田原市誘致ならず

　スイス・ローザンヌで現地時間７日に行われた国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）理事会は、２０２０年東京五輪で正式競技に追加されたサーフィンの競技会場を千葉県長生郡一宮町にある釣ヶ崎海岸に決定した。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が公式ホームページ上で公表した。県内で唯一、競技会場誘致を目指していた田原市の悲願はかなわなかった。
　これを受け山下政良・田原市長は８日午後、臨時記者会見を市役所で開き「残念な結果であるが、サーフィンのまち・田原をアピールできた」などと所見を述べた。
　市長は会見で、田原が競技会場地から外れた理由について「場所の問題。コンパクト五輪が掲げられていたため、東京からの位置関係で我々は不利だった。ここが一番の原因」と分析。誘致をめぐる地域への浸透や働きかけに関しては「会場近くの市民とは盛り上がってやってきた。市民全体で誘致を盛り上げることができたかは疑問もあるが、呼び掛けはしてきた」と話した。
　市長は２０１５年（平成27）年12月に誘致を表明。赤羽根地区の太平洋ロングビーチを候補地の１つなどとして名乗りを上げた。国の関連機関、団体などへ数回出向き陳情書を提出するなどして誘致活動を展開。のぼり２００本やポスター３００枚、横断幕、大看板、プロモーション動画などを作るため、一般会計補正予算を組むなどし、誘致関連費に全体で総額約６５０万円を投じた。
（千葉敬也）