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学術的価値高い田原の保美貝塚

保美貝塚について語る長田氏=田原市博物館で
保美貝塚について語る長田氏=田原市博物館で

 田原市博物館で14日、開催中の企画展「保美貝塚、渥美半島の縄文時代晩期の大貝塚」に合わせた関連イベントが開催された。同貝塚の調査研究者である中部大学非常勤講師の長田友也氏が、当時の人たちの暮らしぶりなどを分析しながら、考古学的重要性などを語った。
 土器や骨角器などが数多く出土し、将来的には国指定史跡の認定を目指している同貝塚。長田氏は、渥美半島には三大貝塚(吉胡、伊川津、保美)が残るなど、県内有数の遺跡がある地域として評価されていると紹介し、保美貝塚に関しては「これまでまとまった情報発信がされてこなかった」と背景を指摘した。それでも「貴重な情報がまだまだ残っている」と学術的価値を強調した。
 続けて、新たに昨年完成した調査報告書を引き合いに「当時の人々の暮らしを復元する上で根拠になっている。生活空間や環境を具体的に示し、全体の情景が明らかになってきた」と成果を述べた。
 貝塚では、矢じりとして使われた石器・石鏃(ぞく)が数多く発見されており、弓矢の利用が活発だったと考えられるため、狩猟活動が活発だったという。さらに遠隔地の石材を用いていることから、自給自足だけでなく、他地域との交流や交換活動の跡もみられる。
 長田氏は、当時の人々について出土品などから、近くの福江湾や免々田川、干潟の海産物をはじめ、周囲の自然環境をうまく利用しながら暮らしていたと解説し、「豊かな自然を享受していた。渥美半島の自然は縄文時代人にとって暮らしやすい環境だったことが言える」などとまとめた。
(千葉敬也)

 田原市博物館で14日、開催中の企画展「保美貝塚、渥美半島の縄文時代晩期の大貝塚」に合わせた関連イベントが開催された。同貝塚の調査研究者である中部大学非常勤講師の長田友也氏が、当時の人たちの暮らしぶりなどを分析しながら、考古学的重要性などを語った。
 土器や骨角器などが数多く出土し、将来的には国指定史跡の認定を目指している同貝塚。長田氏は、渥美半島には三大貝塚(吉胡、伊川津、保美)が残るなど、県内有数の遺跡がある地域として評価されていると紹介し、保美貝塚に関しては「これまでまとまった情報発信がされてこなかった」と背景を指摘した。それでも「貴重な情報がまだまだ残っている」と学術的価値を強調した。
 続けて、新たに昨年完成した調査報告書を引き合いに「当時の人々の暮らしを復元する上で根拠になっている。生活空間や環境を具体的に示し、全体の情景が明らかになってきた」と成果を述べた。
 貝塚では、矢じりとして使われた石器・石鏃(ぞく)が数多く発見されており、弓矢の利用が活発だったと考えられるため、狩猟活動が活発だったという。さらに遠隔地の石材を用いていることから、自給自足だけでなく、他地域との交流や交換活動の跡もみられる。
 長田氏は、当時の人々について出土品などから、近くの福江湾や免々田川、干潟の海産物をはじめ、周囲の自然環境をうまく利用しながら暮らしていたと解説し、「豊かな自然を享受していた。渥美半島の自然は縄文時代人にとって暮らしやすい環境だったことが言える」などとまとめた。
(千葉敬也)

保美貝塚について語る長田氏=田原市博物館で
保美貝塚について語る長田氏=田原市博物館で

カテゴリー:社会・経済

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