かわる店 かわる街

　新たな業種や形態の店が次々と生まれる昨今、東三河でも「撤退」と「オープン」の連鎖が繰り広げられる。そこには地元住民らの期待や喜びがある一方、寂しさや不安も交錯する。“街の表情”を反映する商業の変化に迫る。
（由本裕貴）

豊川のピアゴ国府店

　ユニー・ファミリーマートホールディングスが展開する豊川市国府町のピアゴ国府店は、１９７８（昭和53）年にユニー国府店として開店。国道１号に面する好立地から、国府町や御油町、旧宝飯郡音羽町や御津町など市西部地域の顧客に長年親しまれたが、業態転換が決まり今月８日に閉店。３月末に「ＭＥＧＡドン・キホーテＵＮＹ国府店」としてリニューアルオープンする。
　総合スーパーが全国的に低迷する中、国府店ではこれまでの生鮮食品も扱う一方、アミューズメント性の高い商品を売るドン・キホーテの総合ディスカウントストアの要素を導入。新たに若年層や外国人、訪日観光客らの需要が見込まれる。店内構造は未定だが、他事例から１階はユニーの生鮮食品、２階がドンキとなりそうだ。
　幅広い客層が見込まれるが、地元からは青年少年健全育成や治安の面で不安の声が上がる。ＭＥＧＡドンキは24時間営業の店舗もあり、昨年10月にオープンした豊橋店は午前２時まで営業していることから、国府店でも深夜営業が予想される。地元校区で防犯推進委員を務める近藤昭さん（70）は「実際に開店してみないと分からないが、若い子のたまり場になり、犯罪につながらないか心配だ」と話す。
　当時ユニー国府店だった90年代後半には、ゲームコーナーで遊んでいた少年同士による傷害事件が起き、ゲームコーナーが縮小された経緯がある。店の周辺には公園や、夜間は人通りの少なくなる地下道や歩道橋もある。
　「近年は町内で、特に若者が集まったり、犯罪が集中している場所はない。以前に比べてかなり落ち着いた」と話す近藤さん。それだけに、新たな犯罪の温床を作らせない対策がまちぐるみで求められる。