「尾木ママ」招き豊川信金豊伸会講演会

　豊川信用金庫（半田富男理事長）と、同金庫の取引先で組織する親睦団体・豊伸会連合会（小野喜明会長）は18日、豊川市文化会館で新春講演会を開き、教育評論家の尾木直樹さん（71）が「尾木ママの７つの人生力～ありのままに今を輝かせる力～」と題して講演した。会員や一般市民ら約４５０人が来場した。
　尾木ママの愛称でテレビ番組でも活躍する尾木さんは、独特な話し方と柔らかな物腰で来場者を魅了。大学教授など44年に及ぶ教育者の立場を踏まえ、親交のある“おばかタレント”の鈴木奈々さんや、発達障害を公表したモデル・栗原類さんを挙げて「おばかちゃんでも暗くても、特長があればそれでいいのよ。多様な人が社会で活躍していい時代になってきているの」と主張した。
　また、秘書への暴言や暴行が明るみとなり、昨秋の衆院選で落選した女性元国会議員を例に「頭がいいだけでは駄目なの。勉強だけができるとあのようになるの」と指摘。専門家の見解も踏まえながら「ＩＱ（知能指数）ではなく、『人間性の豊かさ』を示すＨＱ（人間性指数）という言葉が注目されているのよ」と紹介した。　
　そして、長い人生に訪れる苦難や逆境を乗り越える力を「人生力」と表現し、それには「楽しむ力」「言葉の力」「聴く力」「失敗する力」「許す力」「寄り添う力」「感謝する力」の７つの要素があると強調。ユーモアあふれる語り口と冗談の中にも、説得力があり芯の強い尾木ママ流の考えに、来場者は大きくうなずいていた。
（由本裕貴）