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名古屋・闇サイト殺人被害者の母が豊橋署で講演

不十分な被害者遺族支援について話す磯谷さん=豊橋署で
不十分な被害者遺族支援について話す磯谷さん=豊橋署で

2007(平成19)年8月に名古屋市で発生した「闇サイト殺人事件」の被害者の母親、磯谷富美子さん(66)=名古屋市=が20日、豊橋署で署員ら約100人を前に講演し、「加害者の更生という未来の不確かなことを前提とするのではなく、真面目に生きている人を守ることを優先して裁く司法であってほしい」と訴えた。
 犯罪被害者の実情を把握し、支援について考える目的で同署が実施。署員と共に豊橋署犯罪被害者支援連絡協議会員も耳を傾けた。
 磯谷さんは、インターネットの闇サイトで知り合った男3人に、一人娘の利恵さん(当時31)を拉致され、金銭目的で殺害された。3人のうち1人は死刑が執行され、2人には無期懲役判決が確定している。
 裁判では、一審で死刑だった1人について、控訴審で高裁は無期懲役に減刑。磯谷さんは、被害者が1人で、死刑を選択するほど悪質性はないとした司法に対し「かけがえのない大切な娘だった。被害者の数を重要視する裁判官こそ、人の命を軽んじているのではないか」と不信感をあらわにした。
 また、事件直後の混乱を振り返り、マスコミへの取材対応や警察での調書作成の際、言葉や態度に傷ついた経験から「被害者にとって未知の世界。警察にサポートセンターを取り次いでもらえると、遺族の負担が軽減される」などと要望した。
 磯谷さんは、被害者遺族として全国で講演している。この日の講演会後、取材に応じ「私が娘のためにできることはこれだけ。娘の死を無駄にしない。警察には未解決事件をしっかり解決してほしい」と語った。
(飯塚雪)

2007(平成19)年8月に名古屋市で発生した「闇サイト殺人事件」の被害者の母親、磯谷富美子さん(66)=名古屋市=が20日、豊橋署で署員ら約100人を前に講演し、「加害者の更生という未来の不確かなことを前提とするのではなく、真面目に生きている人を守ることを優先して裁く司法であってほしい」と訴えた。
 犯罪被害者の実情を把握し、支援について考える目的で同署が実施。署員と共に豊橋署犯罪被害者支援連絡協議会員も耳を傾けた。
 磯谷さんは、インターネットの闇サイトで知り合った男3人に、一人娘の利恵さん(当時31)を拉致され、金銭目的で殺害された。3人のうち1人は死刑が執行され、2人には無期懲役判決が確定している。
 裁判では、一審で死刑だった1人について、控訴審で高裁は無期懲役に減刑。磯谷さんは、被害者が1人で、死刑を選択するほど悪質性はないとした司法に対し「かけがえのない大切な娘だった。被害者の数を重要視する裁判官こそ、人の命を軽んじているのではないか」と不信感をあらわにした。
 また、事件直後の混乱を振り返り、マスコミへの取材対応や警察での調書作成の際、言葉や態度に傷ついた経験から「被害者にとって未知の世界。警察にサポートセンターを取り次いでもらえると、遺族の負担が軽減される」などと要望した。
 磯谷さんは、被害者遺族として全国で講演している。この日の講演会後、取材に応じ「私が娘のためにできることはこれだけ。娘の死を無駄にしない。警察には未解決事件をしっかり解決してほしい」と語った。
(飯塚雪)

不十分な被害者遺族支援について話す磯谷さん=豊橋署で
不十分な被害者遺族支援について話す磯谷さん=豊橋署で

カテゴリー:社会・経済

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