豊橋で東三河ビジョン協会合

　東三河の市町村長、学識者ら官民を委員とする東三河ビジョン協議会は29日、豊橋市の東三河総合庁舎で会合を開き、検討していた本年度の東三河振興ビジョン主要プロジェクト推進プラン「人が輝き活躍する東三河の実現」と「世界・全国レベルのスポーツ大会等を活（い）かした地域連携」を了承した。いずれも新年度から３カ年で進める。また、新年度に話し合うプランのテーマについて意見を出し合った。
　「人が輝き活躍する－」では、女性や高齢者、若者の人材育成・確保を推進。女性が働きやすい環境づくり、高齢者の活躍、ＵＩＪターンの推進など四つの取り組みを実施する。
　目標値を立て、東三河を所管する職業安定所（豊橋、豊川、新城）が実施している一般職業紹介業務の数値から、東三河の就職件数に占める女性の割合を現状52％を54％にする。65歳以上の高齢者についても、現状５％の割合から７％を目指す。
　若者に関しては、地元企業を１社以上知っている認知度について、東三河４大学の学生の割合を少なくとも50％以上にする。新年度には現状値を把握するためアンケートを実施する。
　「世界・全国レベルのスポーツ大会－」では、五つの取り組みを展開。大規模スポーツ大会の誘致・開催のほか、さまざまなスポーツ大会が開催されている東三河のイメージを発信し、スポーツを観光資源として積極的に活用する。
　住民がさまざまな形でスポーツを楽しむ機会も創出し、スポーツ大会の参加者数を現状３万人から約10％増の３万３０００人、スポーツ大会の観客数を17万２０００人から18万人を目指す。
　委員からは「開催後にその内容についても、内外へ発信する必要がある」との声が出た。
　新年度の推進プランについては、案として「交通基盤の整備と利便性向上に向けた地域連携の推進」が示され、２０２７年のリニア中央新幹線の開業による変化を念頭に考えるよう意見が出た。
　この日の会合では、若者の人材育成・確保に関して、神野吾郎東三河広域経済連合会長、佐原光一豊橋市長、座長を務める石原君雄副知事らの意見が交わされた。グローバル化、ＡＩ（人工知能）時代が進展する中、東三河に来る帰国子女や外国人子弟の教育の受け皿が必要との指摘、要望が出た。
　神野氏は「企業誘致の際、進出を考える企業は、教育や女性の働きやすさといった環境についても調査し、進出を決める」と述べた。
（中村晋也）