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来年1月10日から「豊橋帆前掛けミュージアム」開催

豊橋市の記章ちぎりをあしらった前掛けを着ける芳賀社長㊥と西村社長(右から2人目)
豊橋市の記章ちぎりをあしらった前掛けを着ける芳賀社長㊥と西村社長(右から2人目)

 酒屋や米屋などの屋号が入った日本伝統のエプロン「帆前掛け」をかつての一大生産地・豊橋市で伝統文化の一つとして再発見し、後世に伝えようと、展示会などの「市役所まるっと豊橋帆前掛けミュージアム」が来年1月10日から、期間限定で開催される。仕掛けるのは、市内の織布や染色の職人、帆前掛けの海外展開を手掛ける東京の販売店だ。
 帆前掛けは、衣服を汚れから守り、丈夫なことに加えて、昭和以降は食品会社や酒屋などの商標入りが流行し、広告媒体として需要が高まった。 
 紡績業が盛んだった豊橋市でも昭和30~40年代には、年間で数百万枚を生産。しかし、中国など海外製造へシフトし、東三河周辺に100以上あった業者は次々と廃業した。
 転機は12年前、漢字を印刷したTシャツを販売していた「エニシング」(東京都)の西村和弘社長(43)と、豊橋市往完町の「芳賀織布工場」の芳賀正人社長(68)との出会い。職人らが抱える後継者や高齢化などの問題に直面した西村社長が「伝統を守るために」と立ち上がった。
 市内の職人らと協力し、7年前から年2回、ニューヨークとパリで展示会を開催。「クール」と評判は上々で、カフェやレストランのユニフォームとして海外での取引が広がった。
 跡継ぎのいない芳賀社長から織りの技術を受け継ごうと、西村社長は3年前から社員3人を工場へ派遣し、技術を身に付けている。
 帆前掛けミュージアムは、地域の魅力を発信する会社「うちうら」(豊橋市)の内浦有美代表(37)が愛媛県宇和島市で市役所職員が特産品の真珠を身に着けて働く「パールビズ」から着想を得て、市制110周年記念事業として実現させた。
 日本の伝統産業として注目が集まる帆前掛けの歴史や現状を知ってもらおうと企画。市役所を会場に来年1月10日から20日まで開催。期間中は市職員が帆前掛けをして窓口業務をしたり、歴代の帆前掛けを展示したりする。
 豊橋名物の市内電車や伝統の手筒花火、市の記章ちぎりをあしらった新作の帆前掛け7種類も制作し、ほの国百貨店などで販売する。
 芳賀社長は「零細企業で細々とやってきた。市民にはこれを機に豊橋の技術について知ってもらいたい」と期待し、西村社長は「地元の人に愛してもらってこその伝統。子どもたちに興味を持ってもらい、仕事の多様性を知ってほしい」と話している。
(飯塚雪)

 酒屋や米屋などの屋号が入った日本伝統のエプロン「帆前掛け」をかつての一大生産地・豊橋市で伝統文化の一つとして再発見し、後世に伝えようと、展示会などの「市役所まるっと豊橋帆前掛けミュージアム」が来年1月10日から、期間限定で開催される。仕掛けるのは、市内の織布や染色の職人、帆前掛けの海外展開を手掛ける東京の販売店だ。
 帆前掛けは、衣服を汚れから守り、丈夫なことに加えて、昭和以降は食品会社や酒屋などの商標入りが流行し、広告媒体として需要が高まった。 
 紡績業が盛んだった豊橋市でも昭和30~40年代には、年間で数百万枚を生産。しかし、中国など海外製造へシフトし、東三河周辺に100以上あった業者は次々と廃業した。
 転機は12年前、漢字を印刷したTシャツを販売していた「エニシング」(東京都)の西村和弘社長(43)と、豊橋市往完町の「芳賀織布工場」の芳賀正人社長(68)との出会い。職人らが抱える後継者や高齢化などの問題に直面した西村社長が「伝統を守るために」と立ち上がった。
 市内の職人らと協力し、7年前から年2回、ニューヨークとパリで展示会を開催。「クール」と評判は上々で、カフェやレストランのユニフォームとして海外での取引が広がった。
 跡継ぎのいない芳賀社長から織りの技術を受け継ごうと、西村社長は3年前から社員3人を工場へ派遣し、技術を身に付けている。
 帆前掛けミュージアムは、地域の魅力を発信する会社「うちうら」(豊橋市)の内浦有美代表(37)が愛媛県宇和島市で市役所職員が特産品の真珠を身に着けて働く「パールビズ」から着想を得て、市制110周年記念事業として実現させた。
 日本の伝統産業として注目が集まる帆前掛けの歴史や現状を知ってもらおうと企画。市役所を会場に来年1月10日から20日まで開催。期間中は市職員が帆前掛けをして窓口業務をしたり、歴代の帆前掛けを展示したりする。
 豊橋名物の市内電車や伝統の手筒花火、市の記章ちぎりをあしらった新作の帆前掛け7種類も制作し、ほの国百貨店などで販売する。
 芳賀社長は「零細企業で細々とやってきた。市民にはこれを機に豊橋の技術について知ってもらいたい」と期待し、西村社長は「地元の人に愛してもらってこその伝統。子どもたちに興味を持ってもらい、仕事の多様性を知ってほしい」と話している。
(飯塚雪)

豊橋市の記章ちぎりをあしらった前掛けを着ける芳賀社長㊥と西村社長(右から2人目)
豊橋市の記章ちぎりをあしらった前掛けを着ける芳賀社長㊥と西村社長(右から2人目)

カテゴリー:社会・経済

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