定住外国人の正規雇用促進へ就労支援実施

　定住外国人の正規雇用を増やそうと、豊橋市は外国人を雇う市内の事業所に補助金を出す「定住外国人等就労支援事業」を実施する。市内では正規雇用を目指すブラジル人やフィリピン人計13人が、日本語やビジネスマナー研修を約１カ月にわたり受講し、準備を進めている。
　事業は定住外国人と事業者をマッチングし、試用雇用約２カ月を通じて、雇用チャンスをつくる狙い。国の地方創生交付金を活用し、定住外国人を採用しようとする企業に２カ月分の最低賃金(27万４００円)を補助する。
　19日、同市中岩田２のＮＰＯ法人ＡＢＴ豊橋ブラジル協会では10～50歳代のブラジル人６人が「アレックスと申します」「よろしくお願いいたします」などと敬語の発音や使い方、面接の受け答えを練習していた。
　同協会では、市から委託を受け日本語レベルに合わせて行う週５日、１日３時間の研修の中で、名刺の渡し方まで教える。
　昨年11月に来日した同市中野町のキオハラ・ギリェルメさん（17）は「敬語の発音が難しい」と苦戦しつつも、ひらがなで自分の名前を書けるようになった。ブラジルで教師をしていた同市飯村町のフェヘイラ・リジアニさん（36）は、息子の将来のためと、日本語を猛勉強中だ。
　５年前に来日した同市飯村町のタナベ・エデルリさん（34）も食品や自動車部品の工場に勤めてきたが「日本語をもっとうまくなりたいので、人と接する仕事がしたい」と受講。意欲を見せている。
　11月現在、市内に住む外国人は1万４５４４人で市の人口の約４％にもなる。　
　同市が昨年度行った市内在住外国人へのアンケートによると、派遣やアルバイトが計50％に対し、正社員は９％程度。５人に１人が「正社員になれないこと」に不満に感じていた。
　試用雇用期間は来年１月中旬から３月末までの２カ月程度。
　市は企業向けに説明会を来年１月10日午前10時と翌11日午後２時の２回開催し、マッチング会を同月13日午前10時に市役所で行う。現在申し込み受付中。
　問い合わせは市役所多文化共生・国際課（０５３２・51・２０２２）へ。
（飯塚雪）