チェックポイント

浜松三ヶ日・豊橋道路の起終点決まる

　東三河と遠州両地域が要望している「浜松三ヶ日・豊橋道路」のおおむねの起終点、経過地が設定された。新規事業化に向けてはまだ段階があるとは言え、具体化へ大きく前進した。
　同道路は、両地域の新たな南北軸とする地域発案の路線で、行政、経済団体でつくる浜松三ヶ日・豊橋道路建設促進期成同盟会（会長・神野吾郎豊橋商工会議所会頭）が国などに要望している。
　国土交通省や関係自治体でつくる「浜松三ヶ日・豊橋道路連絡調整会議」は４月25日、浜松市の東名高速道路三ヶ日ジャンクション（ＪＣＴ）と三河港を起終点とし、愛知、静岡両県境にある弓張山地の東側を経過地に設定したことを公表した。
　その後、開かれた同盟会総会に出席した国交省中部地方整備局名四国道事務所の牛居恒太所長は「住宅密集地などの回避すべきところ、産業集積地には近接した方が望ましいことなどを考慮し、現時点で弓張山地の東側を経過地にした」と説明した。
　三河港が起終点に示されたことは、高速道路に遠い同港だけに、ようやく明るい兆しが見えた。同調整会議は、道路に求められる機能の一つに観光振興も示し、「求められるサービス水準」として特に渥美半島方面へのアクセス性強化を設定。長年、幹線道路の整備を訴えている田原市も同道路に寄せる期待は大きく、朗報となった。
　新規事業化には今後、いくつかの段階があり、今年度は概略ルート・構造の検討。その後、「都市計画・環境アセスメントを進めるための調査」「新規事業採択時評価」などの手順を踏む。
　総会で、神野会長が「工事着手まではまだ越えなければならない多くの課題があり、支援をお願いしたい」と言ったように官民一体の取り組みが一層求められる。
　国内屈指の自動車港湾の三河港、製造業や農業が盛んな三遠地域。ぜい弱な道路網が課題となっており、浜松三ヶ日・豊橋道路の実現は両地域のさらなる発展の起爆剤となる。
（中村晋也）