中学生夏休み企業見学会最終日

　第５５回中学生夏休み企業見学会（東愛知新聞社主催、豊橋市教育委員会後援）最終日の９日、豊橋市内を中心に中学生１６人が、浄水器に使われる中空糸膜や炭素繊維などを製造している三菱ケミカル豊橋事業所（豊橋市牛川通４）、ホンダ系自動車部品メーカーの武蔵精密工業（豊橋市植田町）、テープ類の製造を行っている日東電工豊橋事業所（豊橋市中原町）を見学した。
（竹下貴信）

三菱ケミカル豊橋事業所
　水の浄化に使う中空糸膜を使った実験を最初に行い、泥水やオレンジジュースが透明な液体になることに驚き、その浄化能力を実感した。
　工場内では、中空糸膜を製造する工程を見学。ポリエチレンをストロー状の糸のようにして、その糸を熱を加えたり、冷却しながら少しずつ伸ばし、壁面に水は通すが、ウイルスなどを通さない小さな穴を開けていく工程を学んだ。
　また豊橋事業所で製造している商品の一部の紹介を受け、炭素繊維を使ったとても軽い自転車のシャフトに、生徒たちは驚きの声をあげた。

武蔵精密工業
　車の重要部品を数多く製造していることを学び、うち左右の車輪の回転を調整し、スムーズな走行を後押しする「デファレンシャルアッセンブリィ」について詳しく聞いた。
　工場内では、各部品を加工、熱処理、組み立てを行っている様子を見学。改善に取り組む部署では、ドローンを使って高所の確認を行えるようにしている様子や、重いものを自動で運べるロボットの開発について学んだ。
　また同社は今季で創業８０周年を迎え、航空機部品、ミシンの部品を経て、自動車部品に参入して世界各国に拠点を広げた歴史を聞いた。

日東電工豊橋事業所
　全社で１万３５００種類の製品があり、スマホやゲームのタッチパネルに使われている部品をはじめ、自動車の音を抑えるシートなどを製造していることを学んだ。
　工場内では、テープを切断し、梱包する様子を見学。専用の機械で決まった厚みに切断していく工程を確認、厚さ１・５㍉のとても薄いテープが製造できることを聞いた。
　また今年で創業１００周年を迎え、絶縁材料の生産からスタートした歴史についても学んだ。