新城市役所旧庁舎で消防訓練始まる

　新城市消防本部は20日、間もなく取り壊される新城市役所旧本庁舎（同市東入船）を会場に消防訓練を始めた。同市だけでなく北設楽郡もエリアとする消防本部なため、郡内に配属される隊員らが参加してオフィスで出火して要救助者がいるという想定で訓練に取り組んだ。
　２階建ての旧本庁舎は今年５月２日まで窓口業務などが行われ、執務室は西隣に完成した新庁舎に移転した。10月にも解体工事が本格化するのを前に、建物火災発生を想定した訓練をしようと企画した。
　この日は東栄町の東栄分署、豊根村の豊根出張所と富山駐在所の隊員14人が参加。２階の旧副市長、秘書課、市長室の３部屋にわたって煙が充満する中、駆けつけた隊員が室内の間取りや火勢、要救助者がいないかなどを確認し、ホースを手にしたり、ロープをつなげて声を掛け合って活動に取り組んだ。
　現場で活動指揮した東栄分署所属の佐々木政春消防司令補（38）は「実際に使われていたオフィスを会場にスケールの大きな訓練ができたのは今後につながります。煙の流れなど現場でしかわからないものもあり、状況をつかむことができた」と話していた。
　同消防本部では27日までの平日午前中に他の隊員らによる訓練を行っていく。
（安藤聡）