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「ボルネオ保全プロジェクト」発足

プランテーションを歩くボルネオゾウ(提供)
プランテーションを歩くボルネオゾウ(提供)
覚書を交わした佐原豊橋市長(左から2人目)と旭山動物園の坂東元園長ら=豊橋市役所で
覚書を交わした佐原豊橋市長(左から2人目)と旭山動物園の坂東元園長ら=豊橋市役所で

 東南アジアのボルネオ島に生息する絶滅危惧種を守ろうと、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は24日、旭川市旭山動物園(北海道)など国内の動物園5園とNPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(東京都)で「ボルネオ保全プロジェクト」を発足した。環境保全や資金調達、教育普及活動のほか、現地でボルネオゾウの保護施設建設などに取り組む。
 広大な熱帯雨林が広がるボルネオ島は、ゾウやオランウータン、サイなど多様な野生生物が生息する。プロジェクトの活動拠点となる北東部マレーシア・サバ州は、約1500~2000頭しかいないとされるボルネオゾウの主な生息地だが、ジャングルがアブラヤシのプランテーションに転換され、生息地が減少。分断化され個体数が減り、生物多様性の喪失も問題となっている。その面積は、1990(平成2)年から2015年には5・5倍の154・4万㌶に拡大。農場や人間の居住区に動物が入りこむことで、人間とゾウの衝突が相次いでいる。
 これまで旭山動物園とボルネオ保全トラスト・ジャパンが民間企業の協力を経て、ゾウの移送用檻の寄贈や保護施設の建設、エサや人件費の支援などを行っていたが、活動の継続や拡大を目指し、他園に協力を仰いだ。
 豊橋のほか、プロジェクトに参加するのは、福岡市動物園(福岡県)や鹿児島市平川動物公園(鹿児島県)那須どうぶつ王国(栃木県)神戸どうぶつ王国(兵庫県)。
 24日、豊橋市の佐原光一市長と旭山動物園の坂東元園長、那須どうぶつ王国の佐藤哲也園長、ボルネオ保全トラスト・ジャパンの青木崇史事務局長らが出席し、豊橋市役所で連携と協力に関する覚書を交わした。
 佐原市長は「野生動物を守る取り組みであるとともに、動物園が本来果たすべき役割、未来に必ず残していかなければならない大きな取り組みだと思う。未来に伝えたい命、かけがえのない命を守るため、動物園だからできることを共有した七つの組織が集結した。次世代の子どもたちに持続可能な社会を引き継ぐため、ぜひ協力よろしくお願いします」と話した。
 坂東園長は「動物園に来て動物を見るだけで完結するのではなく、その優しさを動物たちのふるさとに返せる仕組みを作ろうというプロジェクト。現状はどんどん悪い方向に進んでいる。命を預かる動物園で、未来につながる活動を一緒に新たにやっていきたい」と述べた。
(飯塚雪)

 東南アジアのボルネオ島に生息する絶滅危惧種を守ろうと、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は24日、旭川市旭山動物園(北海道)など国内の動物園5園とNPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(東京都)で「ボルネオ保全プロジェクト」を発足した。環境保全や資金調達、教育普及活動のほか、現地でボルネオゾウの保護施設建設などに取り組む。
 広大な熱帯雨林が広がるボルネオ島は、ゾウやオランウータン、サイなど多様な野生生物が生息する。プロジェクトの活動拠点となる北東部マレーシア・サバ州は、約1500~2000頭しかいないとされるボルネオゾウの主な生息地だが、ジャングルがアブラヤシのプランテーションに転換され、生息地が減少。分断化され個体数が減り、生物多様性の喪失も問題となっている。その面積は、1990(平成2)年から2015年には5・5倍の154・4万㌶に拡大。農場や人間の居住区に動物が入りこむことで、人間とゾウの衝突が相次いでいる。
 これまで旭山動物園とボルネオ保全トラスト・ジャパンが民間企業の協力を経て、ゾウの移送用檻の寄贈や保護施設の建設、エサや人件費の支援などを行っていたが、活動の継続や拡大を目指し、他園に協力を仰いだ。
 豊橋のほか、プロジェクトに参加するのは、福岡市動物園(福岡県)や鹿児島市平川動物公園(鹿児島県)那須どうぶつ王国(栃木県)神戸どうぶつ王国(兵庫県)。
 24日、豊橋市の佐原光一市長と旭山動物園の坂東元園長、那須どうぶつ王国の佐藤哲也園長、ボルネオ保全トラスト・ジャパンの青木崇史事務局長らが出席し、豊橋市役所で連携と協力に関する覚書を交わした。
 佐原市長は「野生動物を守る取り組みであるとともに、動物園が本来果たすべき役割、未来に必ず残していかなければならない大きな取り組みだと思う。未来に伝えたい命、かけがえのない命を守るため、動物園だからできることを共有した七つの組織が集結した。次世代の子どもたちに持続可能な社会を引き継ぐため、ぜひ協力よろしくお願いします」と話した。
 坂東園長は「動物園に来て動物を見るだけで完結するのではなく、その優しさを動物たちのふるさとに返せる仕組みを作ろうというプロジェクト。現状はどんどん悪い方向に進んでいる。命を預かる動物園で、未来につながる活動を一緒に新たにやっていきたい」と述べた。
(飯塚雪)

プランテーションを歩くボルネオゾウ(提供)
プランテーションを歩くボルネオゾウ(提供)
覚書を交わした佐原豊橋市長(左から2人目)と旭山動物園の坂東元園長ら=豊橋市役所で
覚書を交わした佐原豊橋市長(左から2人目)と旭山動物園の坂東元園長ら=豊橋市役所で

カテゴリー:社会・経済

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