自民党総裁選で安倍首相3選

　事実上の首相選びとなる自民党の総裁選は20日、党本部で国会議員票の投開票と党員票の開票が行われ、安倍晋三首相（63）が一騎打ちとなった石破茂元幹事長（61）を退けて連続３選を決めた。石破氏は善戦だった。新総裁の任期は２０２１年９月までの３年で、安倍首相は歴代の最長内閣となる道筋をつけた。
　総裁選は国会議員票と党員票各４０５票の合計８１０票を争う形で実施された。
　投開票の結果は、安倍氏が５５３票（議員票・３２９票、党員票・２２４票）▽石破氏が２５４票（73票、１８１票）だった。
　開票後、あいさつに立った安倍氏は、石破氏の健闘をたたえた後、「全身全霊で取り組んでいく。災害対策と復旧に全力を上げ、また憲法改正にも取り組んでいく」と述べ、最後に「新しい日本を作っていこう」と投票した自民党所属の全議員に呼び掛けた。
　安倍、石破両氏の戦いになった今回の総裁選は当初から、安倍氏の勝利が確実視されていた。安倍氏は党内７派閥のうち５派の支持を固め、党員票についても55％を上回ることを目標として、優位に戦いを進めてきた。
　敗れたとは言え、石破氏は議員票の18％、党員票の44％余を獲得して、善戦したと言える。

大村知事がコメント

　大村秀章知事は２０日、自民党総裁選挙で安倍晋三首相が３選を晴らしたことを受け、次のようなコメントを発表した。
　今回の自民党総裁選挙で連続３選を果たされた安倍晋三総裁に心からお祝いを申し上げます。
　現在の日本には、北朝鮮問題を始めとする外交・安全保障政策、アベノミクスの検証を含めた経済政策、グローバル化・デジタル化・地方分権・地方分権をセットにした成長戦略、東京一極集中の是正と地方創生、持続的な社会保障制度の構築、国土強靭化と被災地の復旧・復興など、多くの課題が山積しています。
　こうした課題に対して、タイムリーに、スピード感をもって対応し、日本のトップリーダーとして、しっかりと日本の未来図を描き、その実現に向けて全力で取り組まれることを期待します。

地元選出の2氏に聞く

　総裁選後、東三河選出の衆院議員に聞いた。
　今枝宗一郎衆院議員（愛知14区）　（総裁選の）結果を重く受け止め、選挙が終わったからには、党が一致団結して、ひたすら国民のため、また日本・地域のために謙虚に政治を進めて参りたい。
　根本幸典衆院議員（愛知15区）　これまでの経済、外交を中心とする安倍政治の成果を評価して安倍首相に投票した。今後はアベノミクスが地方に波及することを期待したい。安倍首相は憲法改正を訴えており、これについても期待したい。

県連でも開票作業

　愛知県連は午前１０時から名古屋市中区丸の内３の県連本部５階会議室で県党員票の開票が行われた。
　開票作業には、党支部女性局を中心に約４０人が動員され、選挙管理副委員長の伊藤勝人県議のあいさつの後、一斉に開票開始。担当者は投票用紙を１枚１枚確認して安倍票と石破票、白票・疑問票に分けて集計。集計後、直ちに東京の党本部に運んだ。
　党県連本部の発表によると、県内党員投票の結果は、選挙人数４万４１５１人、投票総数は２万６８５６票で、投票率は６０・８３％。うち有効投票数は２万６７３３票、無効投票数は１２３票。
　得票数は安部首相が１万４６１１票、石破元幹事長が１万２１２２票だった。
（後藤康之）