文字の大きさ

停電が続く東三河

備蓄食料や水を受け取りに来た女性=豊橋市役所で
備蓄食料や水を受け取りに来た女性=豊橋市役所で

 台風24号に伴い東三河で発生した大規模停電は2日、復旧が進んだものの、停電が続く地域もあり、不便な生活に住民の不安が広がっている。前日、休業を強いられた店舗なども再開したが、停電の影響で食品スーパーでは品ぞろえが十分ではなく、経済的にも大きな損害を及ぼしている。
 中部電力は、三河地区での停電について、台風の進路による暴風で、トタン屋根などの飛来物や倒木による電線の切断が多く発生したことによると言い、現場確認や復旧作業に時間がかかっているという。
 同社によると、2日午後5時41分現在、豊橋市内は解消に向かっているものの、約2300戸で停電。他に新城市約5400戸、田原市約200戸、設楽町約1400戸、東栄町約300戸、豊根村約300戸となっている。
 同社は復旧作業を進めており、倒木などで現場に侵入できない一部地域を除き、全ての停電解消には4日まで要すると見込んでいる。

情報提供のきめ細やかな対応を

 全世帯のおよそ8割が停電した豊橋市。30日午後11時ごろから停電が続く細谷町の女性(78)は「お湯が沸かせないため、お風呂も我慢している。いつまで続くか分からないが、とにかく早く復旧してほしい」と力なく語った。
 高い地域や高層の集合住宅は、水をくみ上げるポンプが停電で使えないため、水も出ない。このため、同市は1日から給水支援を始め、備蓄食料も配布、2日からは携帯電話・スマートフォンの充電もできるようにした。
 2日午後5時、市役所で缶入りパンと水を受け取った寺沢町の主婦(60)は、地元のエフエムラジオを聞いて来た。「スーパーは行列、コンビニは品物がない。もらいに来るのは気が引けたが、他に停電している人と話もできればと思った」と話した。
 標高の高い地域の雲谷町の住民も、停電と同時に水が使えなくなった。1日、公民館に来た給水車で水を手にすることができた。
 ただ、住民の男性は「給水を知らせる広報車が巡回したが、聞こえなかった。偶然、目にしたから分かった。テレビも見られないし、携帯電話もつながりにくく、バッテリーも心配。行政には、情報が末端まで行き届くよう考えてほしい」と注文する。
 今回、備蓄食料の配布や給水支援、携帯・スマホの充電の受付を知らせる方法として、市はホームページとエフエムラジオ、自治体からの緊急情報などを知らせる「ほっとメール」で配信した。だが、実際には、停電で携帯・スマホの使用が難しい上、登録者数約3万3000人のほっとメールでの周知に限界があった。インターネットを介した手段を持たない年配者も多い。
 緊急時、必要な情報をインターネットや携帯・スマホ以外でも得られる仕組みの必要性が浮き彫りになった。
 さらに、ほっとメールは、翻訳が間に合わず、英語やポルトガル語、やさしい日本語などでの配信を登録する400人以上の外国人に情報が届かなかった。今後の災害への備えとして、外国人住民に対する情報提供のきめ細やかな対応を整える必要もある。

 台風24号に伴い東三河で発生した大規模停電は2日、復旧が進んだものの、停電が続く地域もあり、不便な生活に住民の不安が広がっている。前日、休業を強いられた店舗なども再開したが、停電の影響で食品スーパーでは品ぞろえが十分ではなく、経済的にも大きな損害を及ぼしている。
 中部電力は、三河地区での停電について、台風の進路による暴風で、トタン屋根などの飛来物や倒木による電線の切断が多く発生したことによると言い、現場確認や復旧作業に時間がかかっているという。
 同社によると、2日午後5時41分現在、豊橋市内は解消に向かっているものの、約2300戸で停電。他に新城市約5400戸、田原市約200戸、設楽町約1400戸、東栄町約300戸、豊根村約300戸となっている。
 同社は復旧作業を進めており、倒木などで現場に侵入できない一部地域を除き、全ての停電解消には4日まで要すると見込んでいる。

情報提供のきめ細やかな対応を

 全世帯のおよそ8割が停電した豊橋市。30日午後11時ごろから停電が続く細谷町の女性(78)は「お湯が沸かせないため、お風呂も我慢している。いつまで続くか分からないが、とにかく早く復旧してほしい」と力なく語った。
 高い地域や高層の集合住宅は、水をくみ上げるポンプが停電で使えないため、水も出ない。このため、同市は1日から給水支援を始め、備蓄食料も配布、2日からは携帯電話・スマートフォンの充電もできるようにした。
 2日午後5時、市役所で缶入りパンと水を受け取った寺沢町の主婦(60)は、地元のエフエムラジオを聞いて来た。「スーパーは行列、コンビニは品物がない。もらいに来るのは気が引けたが、他に停電している人と話もできればと思った」と話した。
 標高の高い地域の雲谷町の住民も、停電と同時に水が使えなくなった。1日、公民館に来た給水車で水を手にすることができた。
 ただ、住民の男性は「給水を知らせる広報車が巡回したが、聞こえなかった。偶然、目にしたから分かった。テレビも見られないし、携帯電話もつながりにくく、バッテリーも心配。行政には、情報が末端まで行き届くよう考えてほしい」と注文する。
 今回、備蓄食料の配布や給水支援、携帯・スマホの充電の受付を知らせる方法として、市はホームページとエフエムラジオ、自治体からの緊急情報などを知らせる「ほっとメール」で配信した。だが、実際には、停電で携帯・スマホの使用が難しい上、登録者数約3万3000人のほっとメールでの周知に限界があった。インターネットを介した手段を持たない年配者も多い。
 緊急時、必要な情報をインターネットや携帯・スマホ以外でも得られる仕組みの必要性が浮き彫りになった。
 さらに、ほっとメールは、翻訳が間に合わず、英語やポルトガル語、やさしい日本語などでの配信を登録する400人以上の外国人に情報が届かなかった。今後の災害への備えとして、外国人住民に対する情報提供のきめ細やかな対応を整える必要もある。

備蓄食料や水を受け取りに来た女性=豊橋市役所で
備蓄食料や水を受け取りに来た女性=豊橋市役所で

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR