豊橋西LCが工業高生徒と中古車イス修繕

　アジアの障害者のため役立ててもらおうと、豊橋西ライオンズクラブ（森繁一会長）は４日、豊橋工業高校（加藤一史校長）で同校生徒と共に中古車イスの修理・補修を行った。
　同クラブでは２００５年からの継続事業として、ＬＣＩＦ（ライオンズクラブ国際財団）の支援を受け、家庭や病院、福祉団体などから中古車イスの提供を受け、豊橋工業高校協力のもと修理・補修し、タイ・バンコクのＡＪＵ本部（アジア障害者支援センター）を通じて東南アジア各地に寄贈する事業を展開している。過去13回の事業で寄付台数は延べ約１５００台にものぼり、14年目となる今年は車イス70台をタイに送る予定という。
　今年度第１回目の修理作業が行われたこの日は、森会長ら会員１０人と同校機械科３年の８人、担当教諭らが参加。森会長が取り組みについて説明、生徒たちの修理する姿に感動を覚えた話などを語った後、皆でパンク修理や部品の取り替えなどに汗を流した。「未だに多くの人たちが車イスを必要としている現状。国際貢献事業として今後も引き続き取り組みたい」と同クラブの道端智弘・社会福祉委員長。修理は課題研究の授業で計４回行う予定。
　修理に先駆け、３日夜に豊橋市のホテルアソシア豊橋で開かれた「ゲストスピーチ例会」では、加藤校長を講師として招き、「豊橋ＬＣと豊橋工業高校との連携とその成果」と題して話を聞いた。加藤校長は、ＳＴＥＭ教育推進指定校である同校の取り組みについて紹介。「豊橋工業高校の使命は“地域に必要とされる学校であること”。必要とされる学校であり続け、地域をだんだん広げ、最終的には世界中で必要とされる学校でありたい」と述べ、その手段として地域に必要とされる生徒の育成、それを念頭に置いた地域との連携事業として、地元の特別支援学校や隣接する時習館高校、自治体などとの連携について説明した。
　また、工業高校の特徴である実習や、練習である実習から責任感を伴う実践（課題研究）への流れも紹介。その一環に同クラブとの連携もあるとし、「職員、生徒には“やらせていただいている”気持ちを持つことを徹底させている。明日からの車イスの修理を通し、責任感や達成感を学ばせたい」などと語った。
　同クラブでは現在も、車イスの寄付を広く呼び掛けている。問い合わせは同クラブ事務局（０５３２・35・９６４０）へ。
（田中博子）