文字の大きさ

宇宙つかってみりん

カテゴリー:特集

ASTER-VNIRで撮影された05年と18年の田原市白浜の埋立地を拡大、比較した画像。明るさは画像編集ソフトで調整している(NASA/METI/AIST/JSS ASTER提供)
ASTER-VNIRで撮影された05年と18年の田原市白浜の埋立地を拡大、比較した画像。明るさは画像編集ソフトで調整している(NASA/METI/AIST/JSS ASTER提供)
光の波長(バンド)の図
光の波長(バンド)の図

#宙三河プロジェクト vol.6
人工衛星はマサイ族より目がいいの?

 Flight Plan Original代表・勝間亮

 いきなりですがマサイの視力は6.0~10.0などと言われています。本当かは筆者は知りませんが 、いつでもどこでもスマートフォンに夢中な近頃の若者に文字通り見習わせたい目力ですね。
 今回のテーマは簡単にいうと宇宙データをとってきてくれる衛星の“視力”についてです。宇宙からいろいろな情報をもたらしてくれる人工衛星、その大事なスペックの一つが視力です。
 しかし、難しいことを言っても始まらないので衛星の視力とはざっくり「空間分解能」と「バンド(帯域)」だと押さえておけばOKです。
 「空間分解能」とは簡単に言うとどこまで細かく見られるか。写真を拡大していくと画像がザラザラになって、最後は何が写ってるかわからなくなるアレと同じです。「バンド」はもっと簡単に、光の三原色でいう何色が見えるかという意味になります。(本当はもうちょっと細かいのですが…)
 人間の目で見られる光は可視光線と呼ばれますが、衛星には紫外線や赤外線、レントゲン撮影にも使われるX線も観測出来るものがあります。
 ちなみに光は電磁波、つまり波なのでX線やガンマ線のような強力な短い波長のものから紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波と弱くて長い波長のものまで、いろいろな種類があります。近づいてくる救急車のサイレンの音が高く、遠ざかる救急車のサイレンが低く聞こえる現象を「ドップラー効果」 というのですが、光の波長も同様に遠ざかる青い星が赤っぽく見える「赤方偏移」と呼ばれる現象が起きます。 この世界が生まれたときのビックバンの光も同様で、今も大きく広がり続けている宇宙の中を、一番短い波長の光ガンマ線(≒10pm以下)が非常に長いマイクロ波(≒1㍍くらい)までなんと 100,000,000,000倍も引き延ばされた状態で漂っています。
 テーマの答えですが、衛星の性能を人間の視力に置き換えると200~500、ものによってはそれ以上と言われています。しかも先にご紹介したとおり人間には感知できない光まで見えてしまうので、マサイの人たちもかなわないようです。

#宙三河プロジェクト vol.6
人工衛星はマサイ族より目がいいの?

 Flight Plan Original代表・勝間亮

 いきなりですがマサイの視力は6.0~10.0などと言われています。本当かは筆者は知りませんが 、いつでもどこでもスマートフォンに夢中な近頃の若者に文字通り見習わせたい目力ですね。
 今回のテーマは簡単にいうと宇宙データをとってきてくれる衛星の“視力”についてです。宇宙からいろいろな情報をもたらしてくれる人工衛星、その大事なスペックの一つが視力です。
 しかし、難しいことを言っても始まらないので衛星の視力とはざっくり「空間分解能」と「バンド(帯域)」だと押さえておけばOKです。
 「空間分解能」とは簡単に言うとどこまで細かく見られるか。写真を拡大していくと画像がザラザラになって、最後は何が写ってるかわからなくなるアレと同じです。「バンド」はもっと簡単に、光の三原色でいう何色が見えるかという意味になります。(本当はもうちょっと細かいのですが…)
 人間の目で見られる光は可視光線と呼ばれますが、衛星には紫外線や赤外線、レントゲン撮影にも使われるX線も観測出来るものがあります。
 ちなみに光は電磁波、つまり波なのでX線やガンマ線のような強力な短い波長のものから紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波と弱くて長い波長のものまで、いろいろな種類があります。近づいてくる救急車のサイレンの音が高く、遠ざかる救急車のサイレンが低く聞こえる現象を「ドップラー効果」 というのですが、光の波長も同様に遠ざかる青い星が赤っぽく見える「赤方偏移」と呼ばれる現象が起きます。 この世界が生まれたときのビックバンの光も同様で、今も大きく広がり続けている宇宙の中を、一番短い波長の光ガンマ線(≒10pm以下)が非常に長いマイクロ波(≒1㍍くらい)までなんと 100,000,000,000倍も引き延ばされた状態で漂っています。
 テーマの答えですが、衛星の性能を人間の視力に置き換えると200~500、ものによってはそれ以上と言われています。しかも先にご紹介したとおり人間には感知できない光まで見えてしまうので、マサイの人たちもかなわないようです。

ASTER-VNIRで撮影された05年と18年の田原市白浜の埋立地を拡大、比較した画像。明るさは画像編集ソフトで調整している(NASA/METI/AIST/JSS ASTER提供)
ASTER-VNIRで撮影された05年と18年の田原市白浜の埋立地を拡大、比較した画像。明るさは画像編集ソフトで調整している(NASA/METI/AIST/JSS ASTER提供)
光の波長(バンド)の図
光の波長(バンド)の図

カテゴリー:特集

 PR

PR