豊橋で理想の会社像語る坂本氏

　経営学者で元法政大大学院教授の坂本光司氏が16日、「これからの企業経営－日本でいちばん大切にしたい会社に学ぶ」をテーマに豊橋商工会議所で講演した。坂本氏は「人を大切にする経営を貫くべき」と断言。全国の企業８０００社を回る中で理論化した経営学に基づく、正しい経営を実践する会社の事例を紹介し、経営戦略を考える上でのヒントを示した。
　豊橋信用金庫（山口進理事長）が開催している「とよしん次世代経営者の会・元気塾」で、取引のある東三河や湖西市の若手経営者ら約１７０人が参加した。
　坂本氏は、ベストセラーシリーズ「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者で、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の生みの親でもある。
　講演では、同大賞の審査基準、応募条件となる社員の満足度や障害者雇用などを受賞企業の事例と共に紹介。人を大切にする経営について「手段である業績や勝ち負けでなく、目的である人の幸せを最も重視すること」と述べた。
　また、“いい会社”になるための１００の経営指標を提示し、リストラやコストダウンなどで利益を求め過ぎず、社員や取引先を大切にする経営を求めた。労働人口が減少し、人材確保が難しくなる中で「高齢者、女性、障害者が働きたくなる企業経営をするべき」と訴えた。
　講演後には、健康経営やＢＣＰ（事業継続計画）、事業承継の３テーマによるセミナーが開かれた。
（飯塚雪）