2018回顧 蒲郡市

市体育館を長寿命化

　蒲郡市の２０１８年は公共施設の在り方について議論が深まった。市民体育センター体育館（緑町）の建て替えをめぐり市議会３月定例会では今年度一般会計予算案の原案が修正された。８月には公共施設マネジメント実施計画に基づいて検討してきた塩津、西浦の各地区個別計画を策定した。また私立愛知工科大学を中心に産学官で製作した超小型衛星は10月にロケットに搭載されて宇宙へと打ち上げられた。

　老朽化を迎えた体育館について稲葉正吉市長は２月、建設地を「ボートレース場南東駐車場」（竹谷町）と示して建て替えする方針を打ち出した。３月議会で市は２０１８年度一般会計予算案に建設準備費を盛り込んで提案したが、市議会は予算審査特別委員会で同準備費を削除する修正案を提案して可決。本会議でも原案修正案を賛成多数で可決した。
　市は現体育館を耐震、長寿命化する方針に転換。市議会６月定例会には調査事業費を加える補正予算案を提案し、可決された。
　別の公共施設対策では、マネジメント実施計画に基づいた塩津、西浦の各地区個別計画を策定。学校や保育園など施設の機能をどう配置していくのかを話し合い、塩津は２つある保育園の統合、西浦では小学校敷地に小、中学校、公民館機能を集約させることを示した。
　愛知工科大学など産学官で製作した10㌢立方の超小型衛星「ＡＵＴｃｕｂｅ２」（愛称・がまキューブ）が29日、ＪＡＸＡ（宇宙航空研究開発機構）のＨ２Ａロケットに搭載され、種子島宇宙センター（鹿児島県）から打ち上がった。
　打ち上げ１カ月余がたった今月13日には現状報告会が開かれ、同大学は「現時点では衛星からの電波を確認できていない。電源の不具合がある可能性が高い」と説明した。
　住宅や敷地内にゴミをため込む「ゴミ屋敷」問題に対応するための条例が市議会３月定例会で制定。７月に施行した。これまで市に立ち入り調査などの権限がないため、条例案では実態調査や支援、指導を行っていくほか、強制的に撤去する「行政代執行」までの規定を盛り込んだ。
（安藤聡）