女子プロ野球・寺部さんが豊川代田中来校

　豊川市は19日、今年度３回目の「学校の日」として、市内の小中学校で児童生徒や家族、地域住民も参加したさまざまな行事が行われた。代田中学校（福田隆信校長）では同校卒業生の女子プロ野球選手・寺部歩美さん（26）が来校し、夢を抱き追いかける大切さを後輩らに伝えた。
　寺部さんは１、２年生約２５０人や地元住民を前に、「夢に向かって」の演題で講演。現在は県内を本拠地とする愛知ディオーネで活躍し、昨年は日本一にも貢献したが、子どものころからの挫折や迷いを明かした。
　地元の少年野球チームや代田中でプレーしていた寺部さんは、高校野球では女子選手は試合に出場できないという規定を知り、一度は野球を辞めようとした。しかし知人から女子プロ野球の存在を教えられ、女子野球部のある埼玉県の花咲徳栄高校へ越県入学した。
　学生時代は何度かけがに悩まされたが「野球ができず孤独も感じても、周りの人からの励ましを受けてリハビリに臨み、練習を再開した時に改めて野球ができる喜びを感じられた」と回想。後輩たちに「誰でも必ず苦労や挫折があるが、それを乗り越えた時に素晴らしい景色が待っている。あきらめないでほしい」と呼び掛けた。
　また、日本代表としてワールドカップに出場した経験や、プロに入団してファンの大切さを知ったことも強調。日々、練習だけでなく野球教室や地域交流などの運営業務にも励み、チームが優勝した時は「ビールかけ」ではなく「炭酸水かけ」で祝ったことも紹介した。
　生徒からは質問が相次ぎ、野球部員３人とキャッチボールをする貴重な時間も設けられた。
（由本裕貴）