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日本農業賞「食の架け橋の部」 豊橋の河合さんが大賞

日本農業賞の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた無農薬レモン農家の河合さん=豊橋市中原町で
日本農業賞の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた無農薬レモン農家の河合さん=豊橋市中原町で

 レモンを無農薬で栽培する豊橋市中原町の河合浩樹さん(56)が「第48回日本農業賞」の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた。加工品開発を異業種とともに手掛けるほか、農産物の魅力を消費者に伝える活動なども評価された。河合さんは「重みのある賞なので本当にうれしい」と喜びを語った。
 同賞は、全国農業協同組合中央会(JA全中)や都道府県農業協同組合中央会(JA都道府県中央会)などが主催。2004(平成16)年度から設立した食の架け橋の部は、農家と消費者を結ぶ優れた活動をたたえており、今回は32件の応募があった。河合さんは書類審査、現地調査などを経て選ばれた。3月9日、受賞式が東京都渋谷区のNHKホールである。 
 大学を卒業後に生家のミカン農園を継いだ河合さんは、収穫期間が長く、ほとんどを輸入に頼るレモンの生産を柱に据えた。1995年、外国産との差別化を図るためにテントウムシやカマキリなどの天敵を独学で研究し、害虫を抑えることで皮ごと食べられる完全無農薬でのレモン栽培に成功。皮が体にいいと知られてきたことも後押しし、全国から注目を集めている。
 また、10年以上前から食品加工会社やホテルなど異業種と連携して6次産業化の先駆けとなる「初恋レモンプロジェクト」を立ち上げ、レモンを使った多彩な加工品の開発を積極的に展開。豊橋市の新たな名産品による地域おこしや果樹園の経営安定などを目的に続けているほか、地産地消型ミカンオーナー制度、東三河地域の農家らと「豊橋百儂人」も結成。消費者が地元農業への理解を深めるよう取り組む。
 活発な活動を可能にした背景には、「レモンだけでなく、ハウスミカンや露地ミカンなど多彩な品目を組み合わせ1年中出荷できる体系を整えた安定した農業経営にある」と河合さん。
 夢はフランスの農業祭のような地元住民に愛され、数十万人が訪れるイベントを開催することだ。「突き抜けた農家がたくさんいる地域にするため、他の農家や次の世代にノウハウを伝えていきたい」と話す。全国有数の農業県としての矜持(きょうじ)を胸に、自然、地域、消費者と「つながる」農業を積極的に進めていく。
(飯塚雪)

 レモンを無農薬で栽培する豊橋市中原町の河合浩樹さん(56)が「第48回日本農業賞」の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた。加工品開発を異業種とともに手掛けるほか、農産物の魅力を消費者に伝える活動なども評価された。河合さんは「重みのある賞なので本当にうれしい」と喜びを語った。
 同賞は、全国農業協同組合中央会(JA全中)や都道府県農業協同組合中央会(JA都道府県中央会)などが主催。2004(平成16)年度から設立した食の架け橋の部は、農家と消費者を結ぶ優れた活動をたたえており、今回は32件の応募があった。河合さんは書類審査、現地調査などを経て選ばれた。3月9日、受賞式が東京都渋谷区のNHKホールである。 
 大学を卒業後に生家のミカン農園を継いだ河合さんは、収穫期間が長く、ほとんどを輸入に頼るレモンの生産を柱に据えた。1995年、外国産との差別化を図るためにテントウムシやカマキリなどの天敵を独学で研究し、害虫を抑えることで皮ごと食べられる完全無農薬でのレモン栽培に成功。皮が体にいいと知られてきたことも後押しし、全国から注目を集めている。
 また、10年以上前から食品加工会社やホテルなど異業種と連携して6次産業化の先駆けとなる「初恋レモンプロジェクト」を立ち上げ、レモンを使った多彩な加工品の開発を積極的に展開。豊橋市の新たな名産品による地域おこしや果樹園の経営安定などを目的に続けているほか、地産地消型ミカンオーナー制度、東三河地域の農家らと「豊橋百儂人」も結成。消費者が地元農業への理解を深めるよう取り組む。
 活発な活動を可能にした背景には、「レモンだけでなく、ハウスミカンや露地ミカンなど多彩な品目を組み合わせ1年中出荷できる体系を整えた安定した農業経営にある」と河合さん。
 夢はフランスの農業祭のような地元住民に愛され、数十万人が訪れるイベントを開催することだ。「突き抜けた農家がたくさんいる地域にするため、他の農家や次の世代にノウハウを伝えていきたい」と話す。全国有数の農業県としての矜持(きょうじ)を胸に、自然、地域、消費者と「つながる」農業を積極的に進めていく。
(飯塚雪)

日本農業賞の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた無農薬レモン農家の河合さん=豊橋市中原町で
日本農業賞の「食の架け橋の部」大賞に選ばれた無農薬レモン農家の河合さん=豊橋市中原町で

カテゴリー:社会・経済

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