豊橋の「まちづくり」考える

　市民公開シンポジウム「街づくりは人作り－今を生きる私たちが未来の善き先人になろう」（東愛知新聞社など後援）が11日、豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットで開かれた。基調講演やパネルディスカッションを通じ、参加者は新アリーナ建設が計画されている豊橋のこれからのまちづくりを考えた。
　豊橋ゴールデンロータリークラブが、新アリーナを地域活性化の起爆剤と考え、「自分たちの住む街は自分たちでつくるという気概を持つ人をつくる」という趣旨でシンポを創立30周年記念で開催、約６００人が参加した。
　新アリーナは、豊橋公園内の芝生広場を建設候補地とし、計画が進められている。男子プロバスケットボールＢリーグのホームアリーナにするほか、さまざまなスポーツ、イベントの開催などを予定。
　パネルディスカッションでは、４人が「輝く街づくりに向けて、今、地域がなすべきこと－それは人作り」をテーマに意見、考えを述べた。
　スポーツ庁参事官の忰田康征氏は、各地のスタジアム・アリーナの事例を紹介しながら「設計の段階から、建設の前から、運営管理について民間、住民を交えて検討することが大事」と話し、「日本の先進モデルとなるよう一緒につくりあげていきたい」と述べた。
　その上で「うまくいっているところは、当事者意識が高い」と期待を込めて話した。
　北九州のスタジアム・アリーナを検証した日本政策投資銀行の桂田隆行氏は「スタジアム、アリーナが他の消費を奪うのではなく、市域全体で消費が喚起されることが大事」と指摘したほか、「スポーツだけでなく、さまざまなイベントの場になる豊橋のシンボルとして、アリーナを受け入れてほしい」と助言した。
　また、アリーナや市役所、広場の複合施設「アオーレ長岡」（新潟県長岡市）を運営するＮＰＯ法人ながおか未来創造ネットワークの山崎茂樹代表理事は経験などを伝え、施設の運営で重視している一つに「運営マニュアルは最小限。現場で役に立つようルールではなく、マナーで考えている」と話した。
　パネルディスカッションを前に、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が「街づくりは人作り－輝く街づくりへの提言」をテーマに基調講演した。
（中村晋也）