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田原の養豚場で新たな豚コレラ

防疫のため消石灰をまく作業員=田原市内で
防疫のため消石灰をまく作業員=田原市内で

 県は13日、田原市の養豚農場で新たに豚コレラの疑似患畜が発生したと発表。第2回県豚コレラ緊急対策会議を開いた。新たに豚コレラが発生したのは、6日に豚コレラが確認された豊田市の養豚農場の関連農場(田原市)の東約5㌔にある別の養豚農場。感染拡大が収まらず、県内一の産地・田原市、隣接の豊橋市の養豚関係者は衝撃を受けている。
 新たに発生した農場では昨年2月1日現在で1180頭(繁殖豚130頭、肥育豚1050頭)を飼養しており、今月12日、飼育している子豚に発育不良、紫斑、死亡などの症状がみられると県東部家畜保健衛生所に通報があった。
 同家畜保健衛生所が同農場に立入、食欲不良などの症状のある豚10頭の血液を採取、死亡豚2頭を搬入。血液検査を実施する一方、県中央家畜保健衛生所に搬入した。
 その結果、13日朝、豚コレラのPCR検査が陽性で疑似患畜と確定した。豚コレラの発生は、県内では豊田市に続き2例目(田原市の関連農場を含めると3例目)。
 県は13日朝、大村秀章知事を議長とする緊急対策会議を開催。防疫方針を検討する一方、農場の出入口を1カ所に資限定して、関係者以外の立入を制限、消毒を行った。また同農場は9日付告示の監視対象農場で、すべての豚について移動制限済みで、農場外への物品搬出自粛も決定した。
 さらに13日午後4時半から飼育しているすべての豚の殺処分を開始。14日から埋却して汚染物品処理・消毒を行うことを決め、18日には防疫措置を完了する。
 県によると、同農場から半径3㌔以内の制限区域内には33の養豚農場あり、5万3188頭が飼養されている。また、3~10㌔圏内には34農場があり、4万7498頭が飼養されている。
 発生農場からは12日に静岡県経済連小笠食肉センターへの出荷が確認されているが、他の農場や豊橋市の食肉センターには出荷されていない。
 大村知事は、対策会議で「緊急事態だ。防疫措置を万全に行い、しっかりした対応をお願いする」と述べ、感染の拡大防止の徹底を指示した。
(後藤康之)

無念さをにじませる山下市長

 「残念だ。感染経路が分からないが、なんとか食い止めたい」-。新たな豚コレラ感染を受け、地元・田原市の山下政良市長は13日、無念さをにじませた。
 同市は約10万5000頭を飼育する養豚が盛んな地域。今回の感染で、発生農場を中心に半径3㌔圏を「移動制限区域」として豚などの移動が禁止されるとともに、半径10㌔圏の移動制限区域に外接する区域を「搬出制限区域」として搬出が禁止された。移動・搬出制限区域に9割の約10万頭が該当するという。
 これまでも農家は防疫対策を実施してきたが、市側は改めて「徹底をお願いしていきたい」。一方で、田原産の農畜産物に対する風評被害を懸念し、山下市長は「人体には影響がないので、出ないよう呼び掛けるしかない。風評被害を防ぐ」と述べた。
(中村晋也)

 県は13日、田原市の養豚農場で新たに豚コレラの疑似患畜が発生したと発表。第2回県豚コレラ緊急対策会議を開いた。新たに豚コレラが発生したのは、6日に豚コレラが確認された豊田市の養豚農場の関連農場(田原市)の東約5㌔にある別の養豚農場。感染拡大が収まらず、県内一の産地・田原市、隣接の豊橋市の養豚関係者は衝撃を受けている。
 新たに発生した農場では昨年2月1日現在で1180頭(繁殖豚130頭、肥育豚1050頭)を飼養しており、今月12日、飼育している子豚に発育不良、紫斑、死亡などの症状がみられると県東部家畜保健衛生所に通報があった。
 同家畜保健衛生所が同農場に立入、食欲不良などの症状のある豚10頭の血液を採取、死亡豚2頭を搬入。血液検査を実施する一方、県中央家畜保健衛生所に搬入した。
 その結果、13日朝、豚コレラのPCR検査が陽性で疑似患畜と確定した。豚コレラの発生は、県内では豊田市に続き2例目(田原市の関連農場を含めると3例目)。
 県は13日朝、大村秀章知事を議長とする緊急対策会議を開催。防疫方針を検討する一方、農場の出入口を1カ所に資限定して、関係者以外の立入を制限、消毒を行った。また同農場は9日付告示の監視対象農場で、すべての豚について移動制限済みで、農場外への物品搬出自粛も決定した。
 さらに13日午後4時半から飼育しているすべての豚の殺処分を開始。14日から埋却して汚染物品処理・消毒を行うことを決め、18日には防疫措置を完了する。
 県によると、同農場から半径3㌔以内の制限区域内には33の養豚農場あり、5万3188頭が飼養されている。また、3~10㌔圏内には34農場があり、4万7498頭が飼養されている。
 発生農場からは12日に静岡県経済連小笠食肉センターへの出荷が確認されているが、他の農場や豊橋市の食肉センターには出荷されていない。
 大村知事は、対策会議で「緊急事態だ。防疫措置を万全に行い、しっかりした対応をお願いする」と述べ、感染の拡大防止の徹底を指示した。
(後藤康之)

無念さをにじませる山下市長

 「残念だ。感染経路が分からないが、なんとか食い止めたい」-。新たな豚コレラ感染を受け、地元・田原市の山下政良市長は13日、無念さをにじませた。
 同市は約10万5000頭を飼育する養豚が盛んな地域。今回の感染で、発生農場を中心に半径3㌔圏を「移動制限区域」として豚などの移動が禁止されるとともに、半径10㌔圏の移動制限区域に外接する区域を「搬出制限区域」として搬出が禁止された。移動・搬出制限区域に9割の約10万頭が該当するという。
 これまでも農家は防疫対策を実施してきたが、市側は改めて「徹底をお願いしていきたい」。一方で、田原産の農畜産物に対する風評被害を懸念し、山下市長は「人体には影響がないので、出ないよう呼び掛けるしかない。風評被害を防ぐ」と述べた。
(中村晋也)

防疫のため消石灰をまく作業員=田原市内で
防疫のため消石灰をまく作業員=田原市内で

カテゴリー:社会・経済

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