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豚コレラ対策で18日、大村知事に要望書提出へ

防疫措置が続いている養豚団地=田原市内で
防疫措置が続いている養豚団地=田原市内で

 田原市の養豚場(2例目)で発生した豚コレラの防疫措置は16日も、引き続き同農場や一帯の養豚団地などで進められた。同市は養豚業が県内一盛んで、これに次ぐ隣接の豊橋市を含めた地域は一大養豚産地。さらなる拡大の防止に農家らは防疫対策を続けてきたが、今回の事態を受け、予防に豚へのワクチン使用などを求める。両市とJA愛知みなみ、JA豊橋は18日、豚コレラ対策に関する緊急の要望書を大村秀章県知事らに提出する。
 田原市の田園地帯に14の農場が集まる養豚団地。全頭殺処分が進められている。休日の16日も、白色の防疫服を着た県や同市などの職員、自衛隊員らが作業にあたった。
 「豚のおかげで生活ができた」。団地の養豚農家らも防疫措置に加わる。飼育してきた豚の殺処分に、農家の1人は「しょうがない」と話し、前を向く。
 「今は、感染を防ぐためエリア限定で豚へのワクチン接種と、経営再建の支援をしてもらいたい」と願い、「豚がゼロになっても、みんな再開する意思がある」と力強く話した。
 県によると、16日午後7時現在、養豚団地と関連2農場で3430頭が処分された。
 感染拡大を防ぐため、18日に提出する要望書では、豊田、田原両市の農場で感染が確認され、2万頭以上が殺処分となるなど、養豚農家は深刻な被害を受けていると報告。田原、豊橋両市は愛知県と協力し、防疫対策を講じてきたが、感染の拡大を食い止められず、両市の養豚業は先行きを見通せない厳しい状況と訴える。
 その上で拡大防止に向け、豚コレラワクチンの接種を地域、期間を考慮して早急に実施▽発生農場の経営再建のための支援を強化▽野生イノシシ感染防止策を充実-の3項目を求めている。

消費者は冷静

 今回の事態を受け、田原市内の産地直送品を扱う店舗では、JA愛知みなみブランドの豚肉「みなみ愛とん」が店舗にある限りだけの販売となった。当面、入荷の予定がないという。「みなみ愛とん」は、決められた同じエサと親豚で統一して育て、安定した味に定評がある。
 一方、豊橋市内の消費者は豚コレラの発生に冷静だ。村田奈美さん(43)は「気にせず、普通に地元のものも買っているし、周りの人も同じだと思う」。柴田弘子さん(48)も「地産地消で、地元の農産物を選ぶようにしているので、今も変わらない」と話した。
 同市の森智恵子さん(50)は「生産者の立場を考えると気の毒。落ち着くまで見守りたい」と農家を気遣った。
(中村晋也、小島幸子)

 田原市の養豚場(2例目)で発生した豚コレラの防疫措置は16日も、引き続き同農場や一帯の養豚団地などで進められた。同市は養豚業が県内一盛んで、これに次ぐ隣接の豊橋市を含めた地域は一大養豚産地。さらなる拡大の防止に農家らは防疫対策を続けてきたが、今回の事態を受け、予防に豚へのワクチン使用などを求める。両市とJA愛知みなみ、JA豊橋は18日、豚コレラ対策に関する緊急の要望書を大村秀章県知事らに提出する。
 田原市の田園地帯に14の農場が集まる養豚団地。全頭殺処分が進められている。休日の16日も、白色の防疫服を着た県や同市などの職員、自衛隊員らが作業にあたった。
 「豚のおかげで生活ができた」。団地の養豚農家らも防疫措置に加わる。飼育してきた豚の殺処分に、農家の1人は「しょうがない」と話し、前を向く。
 「今は、感染を防ぐためエリア限定で豚へのワクチン接種と、経営再建の支援をしてもらいたい」と願い、「豚がゼロになっても、みんな再開する意思がある」と力強く話した。
 県によると、16日午後7時現在、養豚団地と関連2農場で3430頭が処分された。
 感染拡大を防ぐため、18日に提出する要望書では、豊田、田原両市の農場で感染が確認され、2万頭以上が殺処分となるなど、養豚農家は深刻な被害を受けていると報告。田原、豊橋両市は愛知県と協力し、防疫対策を講じてきたが、感染の拡大を食い止められず、両市の養豚業は先行きを見通せない厳しい状況と訴える。
 その上で拡大防止に向け、豚コレラワクチンの接種を地域、期間を考慮して早急に実施▽発生農場の経営再建のための支援を強化▽野生イノシシ感染防止策を充実-の3項目を求めている。

消費者は冷静

 今回の事態を受け、田原市内の産地直送品を扱う店舗では、JA愛知みなみブランドの豚肉「みなみ愛とん」が店舗にある限りだけの販売となった。当面、入荷の予定がないという。「みなみ愛とん」は、決められた同じエサと親豚で統一して育て、安定した味に定評がある。
 一方、豊橋市内の消費者は豚コレラの発生に冷静だ。村田奈美さん(43)は「気にせず、普通に地元のものも買っているし、周りの人も同じだと思う」。柴田弘子さん(48)も「地産地消で、地元の農産物を選ぶようにしているので、今も変わらない」と話した。
 同市の森智恵子さん(50)は「生産者の立場を考えると気の毒。落ち着くまで見守りたい」と農家を気遣った。
(中村晋也、小島幸子)

防疫措置が続いている養豚団地=田原市内で
防疫措置が続いている養豚団地=田原市内で

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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