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吉川さんの新著「豊橋の方言210話」

新著「豊橋の方言210話」を手にする吉川さん=東愛知新聞社で
新著「豊橋の方言210話」を手にする吉川さん=東愛知新聞社で

 元豊丘高校教諭の吉川利明さん(87)=豊橋市向山西町=が、方言を切り口に地域の魅力など紹介する「豊橋の方言210話」を、豊川堂(同市呉服町)から出版した。A5判・159㌻、1000円(税別)で、豊川堂全店および市内主要書店で販売している。
 吉川さんは「豊橋地方の方言」(1972年)を皮切りに、これまで「豊橋めぐり」「飯田線」「東三河の戦争遺跡」など、郷土研究の成果を多くの著書で発表。県文化財課による「愛知県の方言」(95年)や、市文化課「豊橋の方言集」(2001年)「豊橋百科事典」(06年)制作にも携わった。その集大成ともいえる今回の著書は、単なる方言解説だけでなく、地元の言葉にまつわるさまざまなエピソードも交えて再編集した。
 第1部「方言210話」、2部「方言学入門」、3部「豊橋21話」の3部編成。メーンの第1部では、210項目にのぼる方言事例を、衣食住、人間関係、感性、行為などに分類し、地域史的なコメントも加えて50音順で配列した。
 うち代表的な方言である「…じゃん」は、1935年ごろから「そうじゃん」「いーじゃん」という形で子どもたちが使い始めた、と紹介。「そうじゃん」の本家は横浜だとされてきたが、吉川さんは「浜松・豊橋が本家である」と主張する。また「…ずら」が「…だら」へ変化したのも、浜松・豊橋が先進的であると記した吉川さん。東愛知新聞社で「豊橋でもう“ずら”は聞かれなくなったが、“だら”はこれからも使われ続けるだろう」と話した。
 第2部では学問としての方言を、音韻、アクセント、語法、変容などから解説。うち方言の変容では、時習館高校3年生(1982~83年生まれ)を対象に、さまざな方言の理解度をアンケート方式で調べた結果も載せた。一例を挙げると、豊橋独自の方言である「やぐい(質が悪い)」は76%が使用する半面、「ひずるしい(まぶしい)」を使っている生徒は0%で、90%はその意味も知らなかった。
 第3部では士族屋敷や大峰登山など、吉川さんが「豊橋在住者に知ってもらいたい」という21項目の話を載せ、「豊橋の優れたところとそうでない事を拾い上げた」という。問い合わせは豊川堂本店(0532・54・6688)まで。
(藤田彰彦)

 元豊丘高校教諭の吉川利明さん(87)=豊橋市向山西町=が、方言を切り口に地域の魅力など紹介する「豊橋の方言210話」を、豊川堂(同市呉服町)から出版した。A5判・159㌻、1000円(税別)で、豊川堂全店および市内主要書店で販売している。
 吉川さんは「豊橋地方の方言」(1972年)を皮切りに、これまで「豊橋めぐり」「飯田線」「東三河の戦争遺跡」など、郷土研究の成果を多くの著書で発表。県文化財課による「愛知県の方言」(95年)や、市文化課「豊橋の方言集」(2001年)「豊橋百科事典」(06年)制作にも携わった。その集大成ともいえる今回の著書は、単なる方言解説だけでなく、地元の言葉にまつわるさまざまなエピソードも交えて再編集した。
 第1部「方言210話」、2部「方言学入門」、3部「豊橋21話」の3部編成。メーンの第1部では、210項目にのぼる方言事例を、衣食住、人間関係、感性、行為などに分類し、地域史的なコメントも加えて50音順で配列した。
 うち代表的な方言である「…じゃん」は、1935年ごろから「そうじゃん」「いーじゃん」という形で子どもたちが使い始めた、と紹介。「そうじゃん」の本家は横浜だとされてきたが、吉川さんは「浜松・豊橋が本家である」と主張する。また「…ずら」が「…だら」へ変化したのも、浜松・豊橋が先進的であると記した吉川さん。東愛知新聞社で「豊橋でもう“ずら”は聞かれなくなったが、“だら”はこれからも使われ続けるだろう」と話した。
 第2部では学問としての方言を、音韻、アクセント、語法、変容などから解説。うち方言の変容では、時習館高校3年生(1982~83年生まれ)を対象に、さまざな方言の理解度をアンケート方式で調べた結果も載せた。一例を挙げると、豊橋独自の方言である「やぐい(質が悪い)」は76%が使用する半面、「ひずるしい(まぶしい)」を使っている生徒は0%で、90%はその意味も知らなかった。
 第3部では士族屋敷や大峰登山など、吉川さんが「豊橋在住者に知ってもらいたい」という21項目の話を載せ、「豊橋の優れたところとそうでない事を拾い上げた」という。問い合わせは豊川堂本店(0532・54・6688)まで。
(藤田彰彦)

新著「豊橋の方言210話」を手にする吉川さん=東愛知新聞社で
新著「豊橋の方言210話」を手にする吉川さん=東愛知新聞社で

カテゴリー:社会・経済

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