愛大卒業生ら写真集出版

　豊橋市の街とファッションを融合にした写真集「ｓｋaｌ(スコール)」(Ｂ５判、12㌻)を、愛知大学豊橋校舎の卒業生たちからなる「ＣＨＩ＆ＭＥ(ちとめ)」が出版した。
　「せっかくいい街なのに、他の人の目には退屈な街として映っていることがもどかしかった。若者が頑張っているという証拠を『モノ』として作ることで、それを見た若者が積極的に面白いことをやるようになり、若者たちの手によってつくられていく未来のある街になってほしいと思う」と、企画・撮影・編集担当で同市萱町のアパレル店員・深見周平さん(23)。
　デザインを手掛けたのは東京のグラフィックデザイナー根津小春さん(24)、広報担当は公務員・竹本甲歩さん(23)で、ちとめの３人は豊橋市外出身。浜松市で生まれ育った竹本さんは「新しいものと古いもの、きれいなものと汚いもの、それが混ざり、豊橋独特の雰囲気をつくり出している」と話す。
　文学部と地域政策学部に通っていた３人は、学生時代から豊橋のまちなかに魅力を感じており、趣味で写真を撮っていた深見さんを発起人にちとめを結成。名前には、土地に新しい芽を生やすという意味を込めた。
　撮影場所は、静けさを取り戻した昼間の繁華街・松葉地区や、街角のガレージ、ゲームセンターなど。あえて「インスタ映え」と離れ、見落とされがちだが、まちの空気や実態をリアルに感じられる場所を選んだ。モデルには、まちなかで働く若者らを迎えた。
　根津さんは「何気なく通り過ぎてしまう街並みも写真を通してこんな風景があったんだと気付いてくれたらうれしい。紙離れと言われるが、『モノ』にすることで説得力があると思う」と話す。
　価格は５００円。豊川堂の本店とカルミア店、名古屋のグローバルゲート店などで販売し、通販も扱う。
(飯塚雪)