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赤坂宿ヒストリー 甦る大橋屋①

カテゴリー:特集

玄関近くの梁に発見された唐草模様の彫刻=大橋屋で
玄関近くの梁に発見された唐草模様の彫刻=大橋屋で

 豊川市赤坂町にあった旅籠(はたご)で、新たな観光スポット「大橋屋(旧旅籠鯉屋)」が24日に開館する。築約200年で市指定文化財の建物は、江戸時代当時への復原を軸に改修された。旧東海道赤坂宿も含めた歴史に5回連載で迫る。

明治天皇を「おもてなし」

 解体と合わせた保存整備工事の途中、1878(明治11)年に明治天皇の行在所として利用されたと考えられる“証拠”が発見された。建物正面右側の出窓の梁(はり)で、木の板がかぶせられていた部分にツルが絡み合う唐草模様とみられる彫刻が見つかった。
 解体調査に携わった元豊橋技術科学大学准教授の泉田英雄氏は「彫り物がある旅籠は非常に珍しい」と話す。旧東海道沿いに宿場町には身分の高い大名や公家らが泊まる本陣や脇本陣があったが、静岡県浜松市の舞阪宿の脇本陣の入り口にも似た彫刻がある。
 また、この梁のある7帖半の部屋の畳の下には、土間や、曲線を描く框(かまち)のある玄関が発見された。大橋屋に残された過去の見取り図には、この位置が玄関となっている。
 旅籠は本陣や脇本陣以外の武士や庶民向けの宿泊施設だが、「愛知県聖蹟誌」には明治天皇が北陸東海を巡幸する際に大橋屋を訪れたことを示す記載があり、これらの痕跡は天皇を迎えたおもてなしの痕跡と考えられる。
(由本裕貴)

 豊川市赤坂町にあった旅籠(はたご)で、新たな観光スポット「大橋屋(旧旅籠鯉屋)」が24日に開館する。築約200年で市指定文化財の建物は、江戸時代当時への復原を軸に改修された。旧東海道赤坂宿も含めた歴史に5回連載で迫る。

明治天皇を「おもてなし」

 解体と合わせた保存整備工事の途中、1878(明治11)年に明治天皇の行在所として利用されたと考えられる“証拠”が発見された。建物正面右側の出窓の梁(はり)で、木の板がかぶせられていた部分にツルが絡み合う唐草模様とみられる彫刻が見つかった。
 解体調査に携わった元豊橋技術科学大学准教授の泉田英雄氏は「彫り物がある旅籠は非常に珍しい」と話す。旧東海道沿いに宿場町には身分の高い大名や公家らが泊まる本陣や脇本陣があったが、静岡県浜松市の舞阪宿の脇本陣の入り口にも似た彫刻がある。
 また、この梁のある7帖半の部屋の畳の下には、土間や、曲線を描く框(かまち)のある玄関が発見された。大橋屋に残された過去の見取り図には、この位置が玄関となっている。
 旅籠は本陣や脇本陣以外の武士や庶民向けの宿泊施設だが、「愛知県聖蹟誌」には明治天皇が北陸東海を巡幸する際に大橋屋を訪れたことを示す記載があり、これらの痕跡は天皇を迎えたおもてなしの痕跡と考えられる。
(由本裕貴)

玄関近くの梁に発見された唐草模様の彫刻=大橋屋で
玄関近くの梁に発見された唐草模様の彫刻=大橋屋で

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