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3代目トリオがタッグ 養豚業界の復活プロジェクト

自身の養豚場を背にプロジェクトをPRする山本さん㊧と夏目さん=西尾市内で
自身の養豚場を背にプロジェクトをPRする山本さん㊧と夏目さん=西尾市内で

 県内の養豚場で豚コレラ感染が相次ぐ中、三河地方の精肉店、養豚農家、割烹料理店の3代目トリオがタッグを組み、インターネットを駆使した養豚業界の復活プロジェクトに乗り出した。豚肉商品を返礼するクラウドファンディングで、食の安全性もPR。風評被害を克服し、豚コレラ被害を受けた県内農家への支援も計画する。
 豊川市の精肉店「夏目ホルモン」の夏目莞士さん(25)が旗振り役となり、豊橋市の料理店「飛騨路」の馬飼野亮太さん(24)、西尾市の養豚農家・山本雄大さん(25)が協力。山本さんが出荷する肉を夏目さんが加工し、馬飼野さんが料理に仕立てる役割分担で商品をプロデュースする。
 焼肉やしゃぶしゃぶなど、支援金額に応じて10種類以上の返礼品を用意。8日から専用サイト「キャンプファイヤー」で支援を募ると、開始わずか7時間で目標金額の100万円を達成。25日時点で260万円を超えている。
 1年前、SNSで養豚場の日常を発信する山本さんの活動に夏目さんが共感し、同年齢もあって友情が生まれた。だが昨年9月、岐阜県内で家畜伝染病・豚コレラが発生し、愛知県にも拡大。山本さんは連日、豚の検査や石灰をまくなどの予防措置に追われた。「殺処分となった農家に比べれば、自分はまだいい」。そう言いながらも気落ちした友人の窮地に、夏目さんがプロジェクトを提案。取引先の馬飼野さんも加わり、全員が3代目ということで固い絆が生まれた。
 プロジェクト名は「世界一透明な豚肉SUKERUTON(=透ける豚)」。豚コレラ流行による風評被害で、安全な豚肉まで消費量が下がった現状を打破しようと、生産から加工、食卓に届くまでの過程をSNSの動画で公開する。夏目さんは「すべてを透明にし、見てもらうことで消費者に安心安全を判断してもらいたい」と話す。
 集まった支援金は返礼品のほか、豚肉1㌔につき100円分を被害を受けた養豚農家への支援に当てる方針。受付は7月7日までだが、その後もSNSで発信してSUKERUTONをブランド化するつもりで、夏目さんは「自分たちの手法が他の農家さんにも浸透すれば、新しい安心安全の仕組みができ、農業業界が少しでも元気になるのでは」と期待する。
 もともとは「養豚農家を子どもたちの将来の夢の1つになってほしい」という理由でSNS発信を始めた山本さん。「プロジェクトで業界のイメージを変え、業界全体を勇気付けるきっかけにしたい」と意気込む。
(由本裕貴)

 県内の養豚場で豚コレラ感染が相次ぐ中、三河地方の精肉店、養豚農家、割烹料理店の3代目トリオがタッグを組み、インターネットを駆使した養豚業界の復活プロジェクトに乗り出した。豚肉商品を返礼するクラウドファンディングで、食の安全性もPR。風評被害を克服し、豚コレラ被害を受けた県内農家への支援も計画する。
 豊川市の精肉店「夏目ホルモン」の夏目莞士さん(25)が旗振り役となり、豊橋市の料理店「飛騨路」の馬飼野亮太さん(24)、西尾市の養豚農家・山本雄大さん(25)が協力。山本さんが出荷する肉を夏目さんが加工し、馬飼野さんが料理に仕立てる役割分担で商品をプロデュースする。
 焼肉やしゃぶしゃぶなど、支援金額に応じて10種類以上の返礼品を用意。8日から専用サイト「キャンプファイヤー」で支援を募ると、開始わずか7時間で目標金額の100万円を達成。25日時点で260万円を超えている。
 1年前、SNSで養豚場の日常を発信する山本さんの活動に夏目さんが共感し、同年齢もあって友情が生まれた。だが昨年9月、岐阜県内で家畜伝染病・豚コレラが発生し、愛知県にも拡大。山本さんは連日、豚の検査や石灰をまくなどの予防措置に追われた。「殺処分となった農家に比べれば、自分はまだいい」。そう言いながらも気落ちした友人の窮地に、夏目さんがプロジェクトを提案。取引先の馬飼野さんも加わり、全員が3代目ということで固い絆が生まれた。
 プロジェクト名は「世界一透明な豚肉SUKERUTON(=透ける豚)」。豚コレラ流行による風評被害で、安全な豚肉まで消費量が下がった現状を打破しようと、生産から加工、食卓に届くまでの過程をSNSの動画で公開する。夏目さんは「すべてを透明にし、見てもらうことで消費者に安心安全を判断してもらいたい」と話す。
 集まった支援金は返礼品のほか、豚肉1㌔につき100円分を被害を受けた養豚農家への支援に当てる方針。受付は7月7日までだが、その後もSNSで発信してSUKERUTONをブランド化するつもりで、夏目さんは「自分たちの手法が他の農家さんにも浸透すれば、新しい安心安全の仕組みができ、農業業界が少しでも元気になるのでは」と期待する。
 もともとは「養豚農家を子どもたちの将来の夢の1つになってほしい」という理由でSNS発信を始めた山本さん。「プロジェクトで業界のイメージを変え、業界全体を勇気付けるきっかけにしたい」と意気込む。
(由本裕貴)

自身の養豚場を背にプロジェクトをPRする山本さん㊧と夏目さん=西尾市内で
自身の養豚場を背にプロジェクトをPRする山本さん㊧と夏目さん=西尾市内で

カテゴリー:社会・経済

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