文字の大きさ

高校野球愛知大会 豊川

カテゴリー:スポーツ / 特集

泣き崩れる豊川の選手たち=小牧市民球場で
泣き崩れる豊川の選手たち=小牧市民球場で
7回2死一、二塁から左前2点適時打を放った豊川・執頭=同
7回2死一、二塁から左前2点適時打を放った豊川・執頭=同

準々決勝の再試合で力尽く

 高校野球夏の愛知大会は26日、準々決勝の再試合分が小牧市民球場であり、豊川が3-5で至学館に敗れた。前日、豊川が4―0でリードも、6回途中に雷雨のためノーゲームに。この日は気温33度の晴天となり、天気と共にゲーム展開も一変した。豊川は春の大会に続き、ベスト8の壁を打ち破れなかった。

 野球の神様のいたずらか。豊川の先発は、前日先発した米庄寛成投手(2年)に代わり、エース菊間悠人投手(3年)。先取点を奪った前日と打って変わり、初回、味方のエラーなどで1死一、三塁のピンチから適時打で先制され、なおも1死一塁、4番・牧山に左翼席への2ランを許し、一挙3点を失った。
 打線は3回、先頭の菊間が口火を切り、2死二塁から3番・中神達哉三塁手(3年)が左前適時打で1点を返す。6回、菊間は適時打を浴び4点ビハインドとなり、前日好投した米庄にマウンドを託されると、2回3分の1を無失点で切り抜けた。
 このままでは終われない。7回に打線が奮起する。2死一、二塁から主将・執頭剛琉遊撃手(3年)が左前適時打を放ち、左翼手がもたつく間に2人が生還し、2点をもぎ取った。そして、迎えた9回の攻撃。1死一、二塁とチャンスをつくるも、3番・中神がはね返した痛烈な打球は、無情にも遊撃手のグラブに吸い込まれるように転がりダブルプレー。3年生の夏が幕を閉じた。
 今井陽一監督は「エラー3つなど、当たり前のことを当たり前にできなかった」。前日の試合がノーゲームとならず、再開していれば勝利は目前だったが「野球の神様が自分たちを選んでくれなかったのには理由があるはず」と言い訳にはしなかった。そして3年生に「この先も目配り、気配り、心配りができる人間性を育み、人生の勝利者になってほしい」と激励した。
(木村裕貴)

▽準々決勝
豊川
001000200―3
30000200X―5
至学館
(豊)菊間、米庄―家田
(至)渡邉―牧山
【本】牧山(至)
(小牧市民球場)


全芯全霊 
「72代目」豊川の執頭主将

 「71代目」。7回表、ネクストバッターズサークルへと向かう途中、白のバッティング手袋に刺しゅうされたこの文字を目にした豊川の72代目主将・執頭は思った。「去年のような思いだけはしたくない」。先輩の71代目・青山主将から「これで甲子園に行ってくれ」と手渡されたバッティング手袋。毎日はめ、1200㌘の重いバットを振り、1日500本ものティー打撃をしてきた。
 「前日にインコースが打てていなかったので、オープンスタンスに改良し練習した」。前日とは逆に4点を追う展開の7回2死一、二塁、内角高めのボールに絞った。2球目インハイの直球をレフトへはじき返し、2点適時打を放った。
 9回、中学時代から同じチームで1・2番コンビを組む中野翔太中堅手(3年)が左前打を放つ。執頭は「中野が自分につないでくれたのでどうしても打ちたかった」と右前打を放ち、中神に託した。しかし、併殺で試合終了。先輩との約束は果たせなかった。
 「これは野球の神様が与えてくれた試練。あいさつや清掃など普段の寮生活で詰めが甘い部分があったのかもしれない。後輩たちには徹底してほしい」と目を真っ赤にして語った。「野球はやめません。大学野球をやりたい」―。野球の神様は今後もドラマを用意してくれている。執頭の野球人生は続く。
(木村裕貴)

準々決勝の再試合で力尽く

 高校野球夏の愛知大会は26日、準々決勝の再試合分が小牧市民球場であり、豊川が3-5で至学館に敗れた。前日、豊川が4―0でリードも、6回途中に雷雨のためノーゲームに。この日は気温33度の晴天となり、天気と共にゲーム展開も一変した。豊川は春の大会に続き、ベスト8の壁を打ち破れなかった。

 野球の神様のいたずらか。豊川の先発は、前日先発した米庄寛成投手(2年)に代わり、エース菊間悠人投手(3年)。先取点を奪った前日と打って変わり、初回、味方のエラーなどで1死一、三塁のピンチから適時打で先制され、なおも1死一塁、4番・牧山に左翼席への2ランを許し、一挙3点を失った。
 打線は3回、先頭の菊間が口火を切り、2死二塁から3番・中神達哉三塁手(3年)が左前適時打で1点を返す。6回、菊間は適時打を浴び4点ビハインドとなり、前日好投した米庄にマウンドを託されると、2回3分の1を無失点で切り抜けた。
 このままでは終われない。7回に打線が奮起する。2死一、二塁から主将・執頭剛琉遊撃手(3年)が左前適時打を放ち、左翼手がもたつく間に2人が生還し、2点をもぎ取った。そして、迎えた9回の攻撃。1死一、二塁とチャンスをつくるも、3番・中神がはね返した痛烈な打球は、無情にも遊撃手のグラブに吸い込まれるように転がりダブルプレー。3年生の夏が幕を閉じた。
 今井陽一監督は「エラー3つなど、当たり前のことを当たり前にできなかった」。前日の試合がノーゲームとならず、再開していれば勝利は目前だったが「野球の神様が自分たちを選んでくれなかったのには理由があるはず」と言い訳にはしなかった。そして3年生に「この先も目配り、気配り、心配りができる人間性を育み、人生の勝利者になってほしい」と激励した。
(木村裕貴)

▽準々決勝
豊川
001000200―3
30000200X―5
至学館
(豊)菊間、米庄―家田
(至)渡邉―牧山
【本】牧山(至)
(小牧市民球場)


全芯全霊 
「72代目」豊川の執頭主将

 「71代目」。7回表、ネクストバッターズサークルへと向かう途中、白のバッティング手袋に刺しゅうされたこの文字を目にした豊川の72代目主将・執頭は思った。「去年のような思いだけはしたくない」。先輩の71代目・青山主将から「これで甲子園に行ってくれ」と手渡されたバッティング手袋。毎日はめ、1200㌘の重いバットを振り、1日500本ものティー打撃をしてきた。
 「前日にインコースが打てていなかったので、オープンスタンスに改良し練習した」。前日とは逆に4点を追う展開の7回2死一、二塁、内角高めのボールに絞った。2球目インハイの直球をレフトへはじき返し、2点適時打を放った。
 9回、中学時代から同じチームで1・2番コンビを組む中野翔太中堅手(3年)が左前打を放つ。執頭は「中野が自分につないでくれたのでどうしても打ちたかった」と右前打を放ち、中神に託した。しかし、併殺で試合終了。先輩との約束は果たせなかった。
 「これは野球の神様が与えてくれた試練。あいさつや清掃など普段の寮生活で詰めが甘い部分があったのかもしれない。後輩たちには徹底してほしい」と目を真っ赤にして語った。「野球はやめません。大学野球をやりたい」―。野球の神様は今後もドラマを用意してくれている。執頭の野球人生は続く。
(木村裕貴)

泣き崩れる豊川の選手たち=小牧市民球場で
泣き崩れる豊川の選手たち=小牧市民球場で
7回2死一、二塁から左前2点適時打を放った豊川・執頭=同
7回2死一、二塁から左前2点適時打を放った豊川・執頭=同

カテゴリー:スポーツ / 特集

 PR

PR