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東三河で姿消す屋外「市民プール」

　東三河で自治体が管理運営する屋外の「市民プール」が姿を消しつつある。蒲郡市では現在、２０１１（平成23）年に廃止となった市民プールの解体工事が進められている。しかし、プール施設の存在を望む住民も少なくはない。
　同市では三谷町の三河湾沿岸部で県立三谷水産高校南側にあった。１９７５年のオープンで、利用者減とともに漏水や配管に劣化が見られ、改修や施設維持費を考えて廃止を決断。今年度は解体工事を本格化させている。
　記者は毎年夏に行われる小学生と市長との懇談会の取材をしている。13小学校から代表１人ずつ出席しているが、毎年のように児童からは「市民プール」という言葉が出ているのを聞いている。稲葉正吉市長は「図書館や市民会館など年中利用する施設をどうしていくのかを優先している。プールはその後に考える」と答えている。
　市によるとプール跡地利用はまだ未定という。
　東三河の他市の市民プールは豊橋市はあるものの、豊川市ではこの９月１日で市民プールの営業が終わった。新城市は07年に桜淵公園内の市民いこいのプールを休止してその後廃止した。
　跡地利用では新城市では、公園のゾーニングを考えて親子など幅広い年齢層で集うことができるようにし、来年春にオープンさせる計画で工事が進められる。
　蒲郡では今秋に市長選挙が行われる。出馬の意向を明らかにしている立候補予定者の１人も「市民プール」の復活の声を聞き、「新しい施設を検討していく」という姿勢を示している。
　夏休みなど長期休みとなると公共のプールは小中学生の居場所とも考えられる。今後のまちづくりのために必要なのかどうか、記者も注目していきたい。
（安藤聡）