東京五輪マラソン代表 豊橋出身の鈴木亜由子が内定

　２０２０年東京五輪の代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）」が東京都内で行われ、女子は豊橋市出身の鈴木亜由子（27）＝日本郵政グループ＝が２時間29分02秒、男子は田原市を拠点にするトヨタ自動車陸上長距離部の服部勇馬（25）＝新潟県十日町出身＝が２時間11分36秒でともに２位、東三河ゆかりの２人が代表に内定した。多くの人が豊橋、田原で、そして東京で応援。男女とも息の詰まるレース展開となる中、２人がつかみとった五輪切符に歓喜した。

　女子のスタートは男子の20分後、午前９時10分。パブリックビューイングが行われた豊橋市こども未来館ここにこには、鈴木亜由子（27）＝日本郵政グループ＝の後輩にあたる豊橋陸上クラブの小学生ら約20人や佐原光一市長、大勢の市民らが集まり、レースが終わる約２時間半、バルーンを手に声援を送り続けた。
　午前10時過ぎ、気温34度の暑さになる中で力走する鈴木。中間地点を優勝した前田穂南（23）＝天満屋＝に続き、２位で走り抜けた。
　五輪への期待が高まる中、画面に姿が映るたびに、市民らはバルーンをたたいたり、「亜由子」コールを起こしたりして熱い応援の気持ちを表した。
　「五輪の女神がほほえむように」。会場では、そんな願いを込め、豊橋生まれの新しい米「女神のほほえみ」の新米を使ったおにぎりも配られた。
　ゴール直前、追い上げる小原怜（29）＝天満屋＝を振り切り２位でフィニッシュすると、会場は喜びに包まれ、２度目のマラソンで決めた五輪出場内定を、万歳三唱で祝った。
　会場で見守った祖母の鈴木佳美さん（84）＝豊橋市＝は「息が詰まる思いでしたが、ほっとしました。『お疲れさまでした』と声を掛けたい」。一緒に観戦した母方の祖母、村松千枝子さん（85）＝同＝も「２位に入れ、安心しました。こんなに心配したことはありません。『頑張ったね』と言ってあげたい」と話した。

　レース後、鈴木の話
　率直によかったという安心感でした。（20㌔あたりで離されたことに）ハイペースだったのでここはついていったらもっと後半響くと思い、少し自分のペースを守る意味で離れた。（最後の坂は）練習でアップダウンを走っていたので、その坂を思い出して一歩一歩走りました。まずはオリンピックの席を確保したので、今回のレースの課題をしっかりとオリンピックに生かしたい。