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豊橋で「東三河SDGs DAY」

「経営者は自社にしかできないことをSDGsの考え方を基に定義するべき」と語る田瀬氏=ムサシイノベーションラボCLUEで
「経営者は自社にしかできないことをSDGsの考え方を基に定義するべき」と語る田瀬氏=ムサシイノベーションラボCLUEで

 国連が2030年に向けて採択したSDGs(持続可能な開発目標)の機運を高めるイベント「東三河SDGs DAY2019」が25日、豊橋市駅前大通、ムサシイノベーションラボCLUEで開かれ、企業関係者ら約60人が出席した。
 主催は武蔵精密工業(豊橋市)で、発起人は農業事業支援会社のイノチオホールディングス(同)。
 国連に約10年間勤務し、SDGsの採択にも携わった経験を持つ田瀬和夫氏を講師に迎え、「SDGsの解説と取り巻く情勢、企業が取り組む意義」をテーマに講演を行った。
 田瀬氏は「1945年採択の国連憲章は戦勝国の合意だったのに対し、SDGsは全193加盟国が文書で合意した点で大変素晴らしい」と述べた上で「法的拘束力がなく、大変緩い目標。国家や会社にとってSDGsを定義することは難しい」と指摘した。
 田瀬氏は「SDGsの3つの新しい思考をビジネスに生かすことができる」と提言し、「1つは時間的逆算思考。いつまでにこうします、と宣言してその目標から逆算して今やるべきことをやっていく。住友化学ら5社は2040年までに化学でマラリアを撲滅することを昨年4月に宣言し、そこから逆算してビジネスを始めた」と紹介。
 また演繹的イノベーション思考を紹介し、「江戸時代の飛脚を速くするためには、足の速い馬を使うという思考ではなく、『いつでも遠くの人とコミュニケーションを取りたい』と考えることから始めるべき。その思考にネットなど技術を組み合わせることで現在のSNSが誕生した」とイノベーションの原理を解説した。
 さらにレバレッジ・ポイント理論について解説。「その団体にしか生み出せない付加価値は何かを考えるべき。豊橋市ならば、豊橋ならではのきれいな水と緑をレバレッジ・ポイントにして市の経済・社会・環境を良くしていくべき」と助言した。
 この後、イノチオホールディングスら9団体が各自の開発目標を発表。参加者らは、SDGsの取り組みが東三河で進む期待に胸をふくらませている様子だった。
(木村裕貴)

 国連が2030年に向けて採択したSDGs(持続可能な開発目標)の機運を高めるイベント「東三河SDGs DAY2019」が25日、豊橋市駅前大通、ムサシイノベーションラボCLUEで開かれ、企業関係者ら約60人が出席した。
 主催は武蔵精密工業(豊橋市)で、発起人は農業事業支援会社のイノチオホールディングス(同)。
 国連に約10年間勤務し、SDGsの採択にも携わった経験を持つ田瀬和夫氏を講師に迎え、「SDGsの解説と取り巻く情勢、企業が取り組む意義」をテーマに講演を行った。
 田瀬氏は「1945年採択の国連憲章は戦勝国の合意だったのに対し、SDGsは全193加盟国が文書で合意した点で大変素晴らしい」と述べた上で「法的拘束力がなく、大変緩い目標。国家や会社にとってSDGsを定義することは難しい」と指摘した。
 田瀬氏は「SDGsの3つの新しい思考をビジネスに生かすことができる」と提言し、「1つは時間的逆算思考。いつまでにこうします、と宣言してその目標から逆算して今やるべきことをやっていく。住友化学ら5社は2040年までに化学でマラリアを撲滅することを昨年4月に宣言し、そこから逆算してビジネスを始めた」と紹介。
 また演繹的イノベーション思考を紹介し、「江戸時代の飛脚を速くするためには、足の速い馬を使うという思考ではなく、『いつでも遠くの人とコミュニケーションを取りたい』と考えることから始めるべき。その思考にネットなど技術を組み合わせることで現在のSNSが誕生した」とイノベーションの原理を解説した。
 さらにレバレッジ・ポイント理論について解説。「その団体にしか生み出せない付加価値は何かを考えるべき。豊橋市ならば、豊橋ならではのきれいな水と緑をレバレッジ・ポイントにして市の経済・社会・環境を良くしていくべき」と助言した。
 この後、イノチオホールディングスら9団体が各自の開発目標を発表。参加者らは、SDGsの取り組みが東三河で進む期待に胸をふくらませている様子だった。
(木村裕貴)

「経営者は自社にしかできないことをSDGsの考え方を基に定義するべき」と語る田瀬氏=ムサシイノベーションラボCLUEで
「経営者は自社にしかできないことをSDGsの考え方を基に定義するべき」と語る田瀬氏=ムサシイノベーションラボCLUEで

カテゴリー:社会・経済

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