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豊橋・ほの国百貨店 跡地は再開発中心に検討

豊橋駅から約300㍍の中心市街地で45年営業する「ほの国百貨店」=豊橋市駅前大通2
豊橋駅から約300㍍の中心市街地で45年営業する「ほの国百貨店」=豊橋市駅前大通2
会見で閉店を正式に発表する林社長=豊橋商工会議所で
会見で閉店を正式に発表する林社長=豊橋商工会議所で

 東三河地域で唯一のデパート「ほの国百貨店」(豊橋市駅前大通2)は15日、来年3月閉店を正式に発表した。売上の減少とともに、耐震性が不十分な建物、設備の老朽化が主な理由。豊橋駅から約300㍍の中心市街地にあり、今後、再開発を中心に跡地を検討するという。営業終了日は3月15日。前身の「豊橋丸栄」から数えて45年の歴史に幕を下ろし、同地域から百貨店が姿を消す。
 「お客さまには、ご不便とご迷惑を掛けることになり、おわび申し上げます」。豊橋商工会議所で記者会見した林恭吾社長は頭を下げ、「営業終了まで最高の商品とサービスを提供し、最後まで皆さまに愛される百貨店を目指します」と続けた。
 前身は、1974(昭和49)年10月、名古屋市の百貨店・丸栄のグループ会社として開店した豊橋丸栄。豊橋駅前にあった百貨店・豊橋西武と競い合う形で営業し、バブル景気を受けた92年には約160億円を売り上げていた。
 だが、その後、売上は減少。林社長は、バブル経済の崩壊、リーマン・ショック、ネットショッピングを主な要因に挙げた。直近の2019年2月期の売上は約50億円まで落ち込み、3期連続の赤字となっていた。「ブランドの新陳代謝が加速する中、対応できなかった」と言い、客層も「60代、50代から下の顧客層を取り込むのが難しかった」と話した。
 一方、45年の歴史を刻み、老朽化が著しく、建物は耐震の強度不足が判明、古くなった設備の改修も必要になっており、営業終了の判断材料となった。
 閉店後の事業などについて、林社長は複数で協議していることを明かし、今後の事業形態、会社に関し「機会があれば、一つの商材に特化した事業にするということもあるが、どういう形になるかは今後の協議による」との考えを示した。
 約150人の従業員の雇用は「労働組合と協議していく」とし、「行政や商工会議所にも再雇用への協力をお願いする」と述べ、会見に先がけ、面談した豊橋商工会議所の神野吾郎会頭にも依頼したという。
 丸栄のグループ会社としてスタートしたほの国百貨店は、2010年、丸栄の傘下から離脱。役員らが出資し、設立した新たな「豊橋丸栄」で歩み出し、12年3月には公募で店名、社名をこの地域の古い呼称から「ほの国百貨店」に改めるなど「地域密着」を打ち出して営業してきたが、来春、百貨店営業を終える。
(中村晋也)

 東三河地域で唯一のデパート「ほの国百貨店」(豊橋市駅前大通2)は15日、来年3月閉店を正式に発表した。売上の減少とともに、耐震性が不十分な建物、設備の老朽化が主な理由。豊橋駅から約300㍍の中心市街地にあり、今後、再開発を中心に跡地を検討するという。営業終了日は3月15日。前身の「豊橋丸栄」から数えて45年の歴史に幕を下ろし、同地域から百貨店が姿を消す。
 「お客さまには、ご不便とご迷惑を掛けることになり、おわび申し上げます」。豊橋商工会議所で記者会見した林恭吾社長は頭を下げ、「営業終了まで最高の商品とサービスを提供し、最後まで皆さまに愛される百貨店を目指します」と続けた。
 前身は、1974(昭和49)年10月、名古屋市の百貨店・丸栄のグループ会社として開店した豊橋丸栄。豊橋駅前にあった百貨店・豊橋西武と競い合う形で営業し、バブル景気を受けた92年には約160億円を売り上げていた。
 だが、その後、売上は減少。林社長は、バブル経済の崩壊、リーマン・ショック、ネットショッピングを主な要因に挙げた。直近の2019年2月期の売上は約50億円まで落ち込み、3期連続の赤字となっていた。「ブランドの新陳代謝が加速する中、対応できなかった」と言い、客層も「60代、50代から下の顧客層を取り込むのが難しかった」と話した。
 一方、45年の歴史を刻み、老朽化が著しく、建物は耐震の強度不足が判明、古くなった設備の改修も必要になっており、営業終了の判断材料となった。
 閉店後の事業などについて、林社長は複数で協議していることを明かし、今後の事業形態、会社に関し「機会があれば、一つの商材に特化した事業にするということもあるが、どういう形になるかは今後の協議による」との考えを示した。
 約150人の従業員の雇用は「労働組合と協議していく」とし、「行政や商工会議所にも再雇用への協力をお願いする」と述べ、会見に先がけ、面談した豊橋商工会議所の神野吾郎会頭にも依頼したという。
 丸栄のグループ会社としてスタートしたほの国百貨店は、2010年、丸栄の傘下から離脱。役員らが出資し、設立した新たな「豊橋丸栄」で歩み出し、12年3月には公募で店名、社名をこの地域の古い呼称から「ほの国百貨店」に改めるなど「地域密着」を打ち出して営業してきたが、来春、百貨店営業を終える。
(中村晋也)

豊橋駅から約300㍍の中心市街地で45年営業する「ほの国百貨店」=豊橋市駅前大通2
豊橋駅から約300㍍の中心市街地で45年営業する「ほの国百貨店」=豊橋市駅前大通2
会見で閉店を正式に発表する林社長=豊橋商工会議所で
会見で閉店を正式に発表する林社長=豊橋商工会議所で

カテゴリー:社会・経済

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