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三河港の一角「田原地区」企業立地50周年

片田氏の講演もあった記念式典=田原市の崋山会館で
片田氏の講演もあった記念式典=田原市の崋山会館で

 三河港の一部、田原市臨海部「田原地区」が企業立地50周年の節目を迎えた。ノリやアサリの漁場を埋め立て、誕生した広大な用地。トヨタ自動車などの企業が進出し、半世紀の間に一大工業地帯に変ぼう、同港や東三河地域発展の一翼を担う。22日に開かれた記念式典で、企業を代表し、田原臨海企業懇話会の山田俊郎会長(愛知海運産業社長)は先人に感謝した。
 田原地区は、1964(昭和39)年の東三河地区工業整備特別地域の指定を受け、県企業庁による埋め立て造成工事が進められ、69年11月、三菱セメント(現・宇部三菱セメント)が用地を取得、最初の進出企業となり、今年で50周年を迎えた。
 工場群が並ぶ臨海工業地帯があるのは、豊橋市に近い童浦地区。埋め立て前、かつては“白砂青松”と呼ぶのにふさわしい浜と松林があった。戦前から良質の砂利が採れ、終戦直後は戦災復興の建設資材に使う砂利の採取場、その後はノリやアサリの漁場として地域の人たちの生活の糧となった。
 企業用地を造ることになり、生活が一変する住民たち。漁業補償は難航した。仕事の先は海から陸へ、大半の人が農業を始めたという。
 田原地区には現在、74社が進出。近年は太陽光発電、国内最大級のメガソーラーや、風力発電施設が立地し、再生可能エネルギーを推進する地区としても注目されている。
 田原市の製造品出荷額は、埋め立て造成前の63年、116億5250万円だったが、2018年は県内5位の1兆9991億6000万円と大きく飛躍、同市の原動力になった。
 進出企業でつくる田原臨海企業懇話会は市内で50周年記念式典を開催し、出席者約100人が節目を祝った。同懇話会は幹線道路問題のほか、企業防災活動などにも取り組んでおり、東京大大学院特任教授・片田敏孝氏の記念講演会「想定を超える災害にどう向かい合えばいいのか」を開いた。
 山田会長は、あいさつで童浦地区の先人たちの英断に感謝し「この先も企業の発展、成長にまい進し、田原市が豊かになるため貢献したい」と決意を新たにした。山下政良市長も「本市の経済基盤づくりに多大に貢献、雇用の場も生み、市の産業の発展に貢献し、感謝する」と述べた。
(中村晋也)

 三河港の一部、田原市臨海部「田原地区」が企業立地50周年の節目を迎えた。ノリやアサリの漁場を埋め立て、誕生した広大な用地。トヨタ自動車などの企業が進出し、半世紀の間に一大工業地帯に変ぼう、同港や東三河地域発展の一翼を担う。22日に開かれた記念式典で、企業を代表し、田原臨海企業懇話会の山田俊郎会長(愛知海運産業社長)は先人に感謝した。
 田原地区は、1964(昭和39)年の東三河地区工業整備特別地域の指定を受け、県企業庁による埋め立て造成工事が進められ、69年11月、三菱セメント(現・宇部三菱セメント)が用地を取得、最初の進出企業となり、今年で50周年を迎えた。
 工場群が並ぶ臨海工業地帯があるのは、豊橋市に近い童浦地区。埋め立て前、かつては“白砂青松”と呼ぶのにふさわしい浜と松林があった。戦前から良質の砂利が採れ、終戦直後は戦災復興の建設資材に使う砂利の採取場、その後はノリやアサリの漁場として地域の人たちの生活の糧となった。
 企業用地を造ることになり、生活が一変する住民たち。漁業補償は難航した。仕事の先は海から陸へ、大半の人が農業を始めたという。
 田原地区には現在、74社が進出。近年は太陽光発電、国内最大級のメガソーラーや、風力発電施設が立地し、再生可能エネルギーを推進する地区としても注目されている。
 田原市の製造品出荷額は、埋め立て造成前の63年、116億5250万円だったが、2018年は県内5位の1兆9991億6000万円と大きく飛躍、同市の原動力になった。
 進出企業でつくる田原臨海企業懇話会は市内で50周年記念式典を開催し、出席者約100人が節目を祝った。同懇話会は幹線道路問題のほか、企業防災活動などにも取り組んでおり、東京大大学院特任教授・片田敏孝氏の記念講演会「想定を超える災害にどう向かい合えばいいのか」を開いた。
 山田会長は、あいさつで童浦地区の先人たちの英断に感謝し「この先も企業の発展、成長にまい進し、田原市が豊かになるため貢献したい」と決意を新たにした。山下政良市長も「本市の経済基盤づくりに多大に貢献、雇用の場も生み、市の産業の発展に貢献し、感謝する」と述べた。
(中村晋也)

片田氏の講演もあった記念式典=田原市の崋山会館で
片田氏の講演もあった記念式典=田原市の崋山会館で

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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