平田満さん出演の舞台「荒れ野」再演

　豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットの芸術文化アドバイザー桑原裕子さんが作・演出し、地元出身の俳優平田満さんが出演する舞台「荒れ野」が13～15日の３日間、プラットアートスペースで再演される。これまでに高い評価を得てきた本作について、平田さんは「何年にもわたって作品として見られる価値のある作品になりつつある」と熟成を喜んだ。
　「荒れ野」は、プラットプロデュースの第２弾として２０１７(平成29)年11、12月に豊橋、北九州、東京で上演、今回はオリジナルキャストでの再演となる。
　６人のキャストは先週から豊橋入りし、実際のセットを組んで稽古を積む。桑原さんは「とても面白く仕上がってきている。初演のときに自分たちが見つけていなかった部分で役者さんとのディスカッションだったり、稽古によって発見が続いている」と話す。
　初演の際には、「第５回ハヤカワ悲劇喜劇賞」を受賞し、戯曲は「第70回読売文学賞戯曲・シナリオ賞」を受賞。平田さんは「予算が限られ、すごく知られた大劇場で人を集めた作品でなくても、むしろそういう大きいところでやらないからこそのよさのあるお芝居があるはずだという自負はあったので、受賞は素直にうれしかった」と振り返り、「まだ、地方の劇場発の作品が賞を取る、東京の人に見てもらうところまでに至っていないので、どんどん地方で特色あるお芝居ができたらと思う。これからも豊橋で頑張って、いろいろな作品を発信していきたい。『荒れ野』の再演は一つの成果になっていくと思う」と力を込める。
　物語は、ある団地の一室を舞台に、ショッピングセンターの火災を発端として偶然にも一つ屋根の下で一夜を過ごすことになった人々の揺れ動く人間模様を描く。
　平田さんは「年齢の垣根を超えて人間というものが描かれた作品。ぜひ、年齢、性別、職業に関係なく、見に来てほしい」と話し、桑原さんは「できれば、誰かしらと結び付きを持ちたいと思っている寂しさがある人たちにも見てもらいたい」と話している。
　公演は13日午後７時、14日午後１時と同６時、15日午後１時。チケットは一般４０００円、24歳以下２０００円、高校生以下１０００円で、未就学児童は入場不可。当日券は各日午前10時から電話で受け付け、空きがあれば開演１時間前から劇場で販売する。チケットの予約・問い合わせはプラットチケットセンター（０５３２・39・３０９０）へ。
（飯塚雪）