2019回顧 社会(下)

　【７月】７日午前、蒲郡市形原町の住宅で高齢の女性（96）が同居する長男の妻に殺害された。妻はその後、自殺を図ったが、命に別条はなかった。蒲郡署によると、長男が朝食を届けに女性が暮らす母屋を訪ねたところ、介護ベッドの上で意識を失っているのを発見し通報。着衣に乱れはなく、首にひものようなもので絞められた痕があった。死因は窒息死。同署は９日、長男の妻である無職の女（70）を殺人の疑いで逮捕。女は事件前、家族に「介護に疲れた」と話していたという。12月、殺人罪で起訴された。▽11日、田原市神戸町の住宅で女性（60）から「息子が血だらけで倒れている」と１１９番通報があった。田原署員と消防が駆け付けると、この家に住む長男（30）が居間でうつ伏せの状態で倒れているのが見つかり、現場で死亡が確認された。同署捜査本部は同日午後、車で自宅を出たまま行方不明だった長男の弟（27）を殺人の疑いで逮捕した。弟は１２月、殺人の罪で起訴された。

　【９月】９日早朝、豊橋市仁連木町の指定暴力団山口組傘下組織事務所から発砲されたと警察官に通報があった。けが人はなく、豊橋署は何者かが発砲した可能性があるとみて、銃刀法違反と器物損壊の疑いで捜査を開始した。同署によると、同日午前２時10分ごろ、事務所にいた組員が発砲音を２発聞き、外を確認したところ、事務所の正面玄関付近の外壁扉と扉上部の壁面の弾痕を見つけた。付近には弾頭らしきものが落ちていたという。同署は12月28日現在、捜査を継続中だが、容疑者は不明のまま。

　【10月】16日、豊橋署が窃盗の疑いで住所不定、無職の男（44）を逮捕した。同署によると、同月10日に豊橋市在住の女性（72）宅へ金融庁の職員を名乗る男から「今から自宅に伺います。キャッシュカードと暗証番号を書いたメモを封筒に入れて用意しておいてください」と電話があり、その後、男が訪問。女性が目を離した隙に、事前に用意した別の封筒とすり替え、盗んだキャッシュカードで１１１２万２０００円を引き出した疑い。
　今年発生した特殊詐欺の被害額は12月27日現在、豊橋市４１１７万円（昨年比約５００万円増）、豊川市５６００万円（昨年比２７００万円増）、田原市６５０万円（昨年比２６６０円減）、新城市約１０００万円（昨年比９４５万円増）、蒲郡市８１５万円（同比１４４万円減）。

　【11月】29日、豊橋署が未成年者誘拐の疑いで東京都八王子市の会社員の男（43）を逮捕した。同署によると、男はＳＮＳで知り合った中学生の少女（14）に「のんびりしてください。一緒に寝ることになりますが大丈夫ですか」とメールでやりとりした後、23日から26日までの間、自宅に連れ去った疑い。「14歳だと知らなかった」と容疑を否認した。21日に女子中学生がツイッターに「部屋を貸してくれる人はいませんか」と投稿し、男が返信。少女と同居する祖母が22日、同署へ行方不明の届けを出し、27日に八王子市内の路上で少女を発見、保護した。
　名古屋地検豊橋支部は12月19日、男を不起訴とした。理由は非公表。

　【12月】豊橋市や設楽町の無人の寺から仏像６体が盗まれた事件で、窃盗と建造物侵入の罪に問われた豊橋市の古物商の男（42）に対し、名古屋地裁豊橋支部は26日、懲役１年８月（求刑・２年６月）の判決を言い渡した。判決によると、男は昨年５月から今年５月中旬ごろ、豊橋市の神泉寺と十輪寺、保寿寺、設楽町の多宝寺に侵入し、仏像６体（時価約１８０万円相当）を盗んだ。