豊橋に県内初の「キッズ・ゾーン」設定へ

　滋賀県大津市の交差点で昨年５月、園児らが死傷した交通事故を受け、豊橋市は、車両の速度抑制などに効果が期待される「キッズ・ゾーン」の設定に乗り出す。県内で初めてという。まず、向山町の豊橋旭こども園沿いの市道に設け、今月末までに整備する。
　事故は５月８日、交差点で車２台が衝突し、１台が信号待ちをしていた保育園児らの列に突っ込み、園児２人が死亡した。
　このため、国は、小学校などの通学路に設けられているスクールゾーンに準ずる「キッズ・ゾーン」を創設。原則、保育所などの周囲半径５００㍍の範囲で設定することができ、「キッズ・ゾーン」という路面表示などで運転手らに注意を促す。
　豊橋市はまず、豊橋旭こども園沿いの市道を選定。交通量が多く、歩道もなく、散歩など園外保育で通行するなど危険が多いため選んだ。桜の名所で知られる向山緑地公園の南西から西方にかけた約３００㍍区間で、約２００万円かけて路面標示、路肩のカラー舗装（緑色）などを実施する。電柱への標示も検討している。
　ドライバーらの視覚に訴え、市は「運転手に歩行者が多いということを訴え、速度を落としてもらう。送迎の保護者にも協力してもらう」と話し、今後、他の園、保育所周辺にも導入を検討する。
　事故後、市は市内の保育園など64園の未就学児が利用する移動経路を点検。新年度、対策が必要な42園92カ所すべてで防護柵や車止めなどの安全対策を行う。また、通学路の緊急点検も実施し、市道交差点で安全対策を講じた。
（中村晋也）